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「え!? 後輩!?五条先生の?」
「うわぁ、苦労してきたのね」
「お疲れ様です。」
「悠仁以外はなんで僕の後輩って聞いただけで苦労人みたいに言うわけ?」
先輩は1年生の受け持ちらしく、今年は3人だったそうだ。
伏黒くん、野薔薇ちゃん、宿儺の器と噂の虎杖くん。
私も3人だったな...女子1人なのも一緒だ。
「じゃあ佐伯さんも、呪術師なんですか?」
『ううん。補助監督だよ。』
質問してくれた伏黒くんは、聞いた割にあまり興味が無さそう。クールなのかな。
「補助監督ってことは、伊地知さんと同じか!」
「伊地知なんかより全っ然すごいよ」
「え、そーなの?」
「Aは一級術師だからね、暇なときは相手してもらいな。あ、手は出しちゃダメだよ?」
嬉しそうに私の話をする先輩の横顔を見て、少し胸の辺りが熱くなった。
硝子さんの話を聞くまでは、私を褒めるなんてからかってるんだろうなとしか思わなかったけど
今聞くと本当に好いてくれてるみたいで落ち着かない。
「じゃあ、僕らはやる事あるからみんな頑張ってね〜」
「なに?デート?」
「野薔薇正解!」
『えっ、でーと?』
先生...なんだよね?この人。
授業とか任務とか、そういうので忙しいんじゃ...
『ぁ、ちょっと』
先輩に手を引かれみんなの横を通り過ぎたとき、3人にはどこか哀れんだ目で手を振られた。
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『もうすぐですよ...』
「あ、ほんと?
いやぁ運転上手いね!つい眠くなっちゃった」
あの哀れんだ目はそういうことだったのかと、やっと理解する。
胸高鳴らせてた自分がバカみたい。あくまで嫌いな人相手にデートの妄想膨らませてた自分がバカみたい!
やって来たのは東京港区の新橋。
行き交うスーツ姿のサラリーマンたちが人の群れを成して歩いている。
五条先輩はちょうど今日の夕方から任務だったらしく、その補助監督の担当を伊地知くんから私に変えたらしい。
突然車の鍵を渡され、この住所までとか言われて何も聞かされず運転してる最中にそう言われた。
つまり仕事だ。デートの要素なんて全くない。
「あ、そこ右じゃない?」
『いえ、こっちからのが近いですよ。』
よく飲み会で来てた道だ。住所的にこっちからのが近い。
バックミラー越しに先輩を見ると、なぜだか分からないが少し不服そうにしていた。
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しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時