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五条side




一目惚れだった。



『あの...』



そう話しかけられて振り向いた時、息が止まった。


単に顔が好きとかそういうんじゃなくて、見た目から滲み出る人間性に心臓が大きく跳ねた。



『一年の教室が分からなくなってしまって...どこか、教えて頂けますか?』



それなのに



「そ、そっち」



初めての感情に戸惑ったっていうのもあるし、照れて目も合わせられなかった。


それどころか説明になってない説明(指さしただけ)で、Aを困らせる始末。



『えっと...』


「じ、自分の教室くらい覚えとけよ!」


『すいません。今日来たばっかりで...』


「チッ、こっち」



最初から「あぁ、案内するよ」って髪でもかきあげて爽やかにすりゃあいいのに


感じ悪いどころか舌打ちまでして、超短時間で見事に怖い先輩が出来上がった。


それからも散々だった。


Aが近くに居れば、ふざけてたくせに突然静かになったり


そうかと思えば足引っ掛けて構ってアピールしてみたり


性格悪いのもそうだけど、それ以前にただのバカなんだと思う。


好かれるわけねぇだろそんなのでって、何回思ったか。


でも彼女は



『五条先輩、これって』



何度僕が嫌われるような行動をとっても、健気に呪術のことで質問してきたり偶に微笑みかけてくれた。


そんなAに、初恋の癖して10年以上も片思いしてる僕はだいぶ重症だ。


どんだけ美人な女に言い寄られ、触られても、何も感じない。


A以外、全員猿にしか見えない。



『懐かしいなぁ...』


高専の校舎を見ながら、少し口角を上げてAが呟いた。



「そうだ!僕の生徒に会っていってよ。
補助監督になるんだし、面識あった方が良いでしょ?」


『あぁ、そうですね。』



Aが呪術界から姿を消したときは、心配で3ヶ月は寝れなかった気がする。



任務先で昼食を買ってるAを目にした時の興奮は今でも覚えてるくらいだ。


勤務先も調べたし、何度か任務の合間を縫って様子も見に行った。



おかげで好きなコンビニの商品も全部覚えた。



「あ、せんせーだ!ん?彼女?」



「あぁ!!五条が彼女連れてる!やばっ!」



「五条先生もアラサーだからな、彼女くらい居るだろ。」

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しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時

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