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「二人とも、ご協力ありがと!」


二人に、沙菜ちゃんがお礼を言う。


素直なとこ、沙菜ちゃんのいいとこだよね!





「そう言えば。」


と言いながら、沙菜ちゃんは鞄から紙袋を取り出す。




「私の誕生日だけど、お菓子、作ってきたの。


不味いかもだけど・・・私のわがままってことで、食べてくれない?」


オシャレなブランドショップの紙袋には、どうやらお菓子が入ってるみたい。


「私、食べたい!!」


「俺も!」


真っ先に、私と若武が反応する。



ガキ武と一緒だなんて・・・うぅ。







それでも沙菜ちゃんは喜んだらしくて、嬉しそうに紙袋から箱を出す。


んー、中身はなんだろ!




「じゃーん!」


沙菜ちゃんが箱を開けた。


中身は・・・わっ!


「美味しそう!カスタードプリンっ!」


プリンって作れるんだ・・・当たり前だけど、ちょっとびっくり。


「甘いのが苦手でも大丈夫だよ!


カラメルソースは苦めにしといた。


上杉君とか、苦手でしょう?」


そんなとこまで配慮するなんて、私には出来ないかもなぁ。




「いただきっ!」


若武が食べ始めたので、私達も食べることにした。




「わっ!美味しいよ沙菜ちゃん!!」


「ん、これなら普通に食える。」


「すごい、美味しいよ。」


「美味しいです、姫。」


「伊藤って割と何でも出来るんだ。」


「ん、うまい。」


みんなが感想を言ってく・・・ん?若武だけ言ってないじゃない!


みんな気づいたのか、一斉に若武の方を見た。





・・・若武は、ものすごい勢いで、プリンを食べているところだった。



まあ、それだけ美味しかったんなら、いっか。









「あのね。


私が今日呼んだの、誕生日パーティーのためじゃないんだ。」


・・・どういうこと?








「もちろん、パーティーもだよ?


でも一つ言いたくて。」


なんでだろ、嫌な予感がする。









「私、引っ越すんだ。」


・・・え。


「かなり遠くて、学校も違くなる。」


そんな!






「私、みんなと離れるの寂しいよ!


だけど仕方ないの・・・ごめん。」


沙菜ちゃんの表情を見て、分かった。


沙菜ちゃんも、嫌なんだなって。






「寂しいけど、でも、大丈夫!



私、ぜーったいに沙菜ちゃんのこと、忘れないもの!


約束・・・ね?」


みんなも、頷いてくれた。









一週間後、沙菜ちゃんは引っ越した。



小さなアルバムと、手紙を残して。

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向日葵(プロフ) - 月さん» ありがとうございます! これからもがんばります^^* (2019年4月1日 20時) (レス) id: 188007f767 (このIDを非表示/違反報告)
- お話、すごく面白かったです。今後も応援しています。 (2019年4月1日 16時) (レス) id: 422ad37742 (このIDを非表示/違反報告)
しめじ - 評価変なとこ押してしもた、、ごめん。面白かったよ!! (2019年2月2日 13時) (レス) id: bc1a274c96 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Kokone♪さん» ありがとうございます!また二人の話を書けたらなぁと思ってます! (2018年9月9日 10時) (レス) id: 188007f767 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - 紗菜ちゃんとアーヤのお話、もっとみたいです!面白かったです!お疲れさまでした! (2018年9月7日 18時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2018年5月23日 16時

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