もしも私が強かったなら〜番外編〜

沙菜の溺愛 ページ4

沙菜side





夏休み初日。


私は鏡と、にらめっこをしていた。


脱ぎ散らかった、数々の洋服。


片付けるのは面倒だ。


でも、それでも、構わない。


とびっきりのオシャレな格好が、出来上がるのなら。





｢いけない！待たせちゃう。｣


集合時間の三十分前。


私は大慌てで家を出て、髪が乱れないようにしながら、走る。


待ち合わせ場所までは徒歩五分。


全然、余裕の時間。


でも絶対、あの子を待たせたくなかった。









十分後。


ある女の子が、手を振って近づいてきた。


ある女の子っていうのは･･･









｢彩ちゃんっ！｣


大好きな友達、彩ちゃん。


レモンイエローのワンピースに、オフホワイトのサンダル。


いつも下ろしっぱなしの髪は、二つくくりになっていた。


｢･･･可愛いっ！！｣


思わず叫んでしまった、本音。


だってだって、本当に可愛いもの！



彩ちゃんは照れたように笑い、私を見て、言った。


｢沙菜ちゃんの方が可愛いよ！


いつものことだけど。｣


天使の笑顔を見せる彩ちゃん。


ああ、もう、可愛すぎるっ！！！




抱きしめたい気持ちを堪えて、私は彩ちゃんの手を取った。


｢ほら、行こう？


今日は私、お揃いのスカート買いたい！


お金とか大丈夫？？｣


｢うん、大丈夫だよ。


それじゃあ、行こっか。｣









彩ちゃんも手を握り返してくれた。

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