もしも私が強かったなら〜番外編〜

☆ ページ26

｢あ。


あのときの手紙、読んでんの？｣


読み終わると同時に、忍がやって来て、そういった。


｢これは面白かった。


笑いこらえんの、超・必死だったし。｣




翼もこくこく頷く。


｢『リーダー若武和臣』は、すぐにご機嫌を損ねるからね。


なんとか説得して、書き直させた。｣



へえ。どうやったの？


｢黒木や美門を中心に、もっと感情表現が必要だとか、事実並べただけじゃ立花の心に響かないとか。


そんな感じのこと言いまくっただけ。｣





あ、なんか、すぐ想像できた･･･


｢若武、あいつ、詐欺師って上杉に言われてたぜ。


その割には、手紙は苦手なんだな。


文章力がないってことか？



立花、いつか若武に国語教えてやれ。｣



あ、忍、さりげなく悪口言った･･･


でもきっと、無意識とか、天然とか、とにかく悪気はないんだよね。




翼は首を横に振る。


｢アーヤが教えても無理じゃない？


若武はデスクワークが無理だからね。


仕方ないって。





でも、あいつは実戦で生きるタイプ。


そういう人間ってレアでしょ。｣


ん、そうだね。




翼って意外に、若武を尊敬してるんだ。


なんだか、そんな目をしてる。









｢でもこれ、一時間かけてたんだけど。


さすがに問題アリじゃね？｣





忍の言葉に、私は驚愕っ！！！









一時間かけてこれって、どうなのっ！？

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