儚い天使は知っている

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｢たーすーくーっ！｣

久しぶりに見た、彼の姿。

見つけた私は、我慢出来なくて話しかけた。

彼は私の方に振り返って、しばらく停止。

そのあと、ふわっと笑った。

｢アーヤだ。久しぶり！｣

KZの誰よりも先に、翼を見つけちゃった。

私はスマホを出して、みんなに連絡する。

翼がいるよ！って。

すぐに既読がついたから、もうすぐ、若武辺りが来るだろう。

場所は伝えてないけど、勘とかで分かってそう。

｢スマホ買ったの？アーヤ。｣

その通り！

ついに買ってもらったの、念願のスマホ！

｢じゃ、連絡先交換しよ？｣

｢もちろん！｣

ふう、これでみんなの連絡先、交換出来た。

なんとなく、嬉しい。

｢若武、もうすぐ来ると思うよ。

私の予想だけど。｣

翼は嬉しそうな顔をする。

みんなが揃うのは久しぶりで、私もとーっても嬉しかった。

そういえば翼、治ったのかな？

ここにいるってことは治ってるだろうけど、もし治ってなかったら･･･？

んー、気になるっ！

ちょっと聞きずらかったけど、思い切って聞くことにした。

｢えっと･･･治ったの？｣

治ってなかったらどうしよう。

不安を感じる私を見て、翼は笑う。

｢大丈夫。治ったよ。｣

ああ、良かった！本当に！

涙が出そうなほど、嬉しいっ！！

いや、もうすぐで泣いてたかもしれない。

私が泣かなかったのは、ある人物が、弾丸のように突っ込んできたからだ。

誰かは、なんとなく分かる･･･かな？




｢美門っ！どうだった！？｣

｢あ、若武。久しぶり。｣



そう、若武。

翼がいない五、六ヶ月ほどの期間、一番気を取り乱してた人。

私も、不安で不安で仕方なかったよ？

でも若武は、本当に取り乱してたんだ。

｢うるさい。｣｢落ち着けよ。｣と、全員から言われるくらい。

で、そのあとみんなが言うんだ。

｢美門を信じて待ってろ。｣と。

みんな翼が大好きなんだなって、改めて実感したの。

それでも若武は落ち着かなかったけど。



｢バッチリ。完治したよ。｣

その言葉を聞いて、若武が翼に飛びついた。

翼の体がグラッと揺れるくらい。

｢良かったな！！よし、KZで祝おう！｣

あ、やっぱりそうきたか。

予想してたけどね。

翼も、やっぱりって顔してる。

｢計画を立てるため、今からスタバに集合だっ！

行こーぜっ！｣

いつものKZだ。

やっと、戻ったんだ。

私の大好きなKZに！

｢行こ、翼！！｣

｢ん、行こっか。｣

私達の刺激的な毎日が

再び始まる____________

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