第九百三十一訓 ページ32
そういう訳で、責任を取るのは無能な上司のみ。私たちは喜々だけ人質に預からせてもらって、部下達は返そうとした。
無理強いをされている臣下達まで痛い目を見ることは無いだろう……それに喜々が居ればこちらに下手な真似はできまい。
だから喜々だけ置いて地球へと買えるよう促した…のだけど。
喜々「……その必要は無い。逃げる事などできんぞ、貴様らも家臣も…!!」
………まあ、こういう所ですよね。暗君サマたる所以は。
喜々「謀反人を皆殺しに出来ぬのなら家臣は腹を斬れ!!敵を斬るか己を斬るか選べ!!」
『………。呆れたね』
喜々「………なんだと、?」
確実に天からも民からも見捨てられた将軍様。その姿は無様で仕方ない……憎悪の的とするのが勿体無いくらいには。
けどその無様な彼が、それでも己に着いていこうとする家臣達を身勝手に切り捨てる様は見ていられない。こんなのが主君では家臣が可哀想だ。
『客観的に自分を見てみなよ。将ちゃんの時だってそう……何故今お前がこの立場に置かれているのか、その一番原因はお前自身にあるんだ』
喜々「貴様ァ…!薄汚い卑賎の身の分際で!!今……この私になんと言った!!?」
………例えばこういう所とかね。"卑賎"って言葉にはちょっと腹立ったんですけど。
私は、私の生まれは卑しくも汚らわしくもない。どちらかというと汚しているのはお前の方なのに。
喜々「貴様らッ!早くこの女を殺せ!!使えない家臣のままでいるつもりか、私を誰だと心得ている!!?征夷大将軍、徳川喜______」
______ゴッッ、!!!
『………っへ、』
……瞬間、喜々の体が宙に浮いて吹っ飛んだ。
急なことに驚いてすぐ飛んで行った方を見るが…もう彼はドシャッと音を立てて地面に叩き付けられた後。
(……え、結構飛んだな…?強めに殴られたみたい、だけど)
万斉「……去れ、家臣達よ。この国にはもう護るに値する主君は居ないでござる」
『………万斉くん、』
……どうやら喜々をぶん殴ったのは万斉くんらしい。
喜々のあまりの無様さを見ていられなかったのか、それとも単に苛ついたのか……何にせよ殴るなんて彼にしては珍しい。
銀時「あーあー、また歯ァ抜けちゃったよ将軍。ま、お前がやんなきゃ俺がやってたけど。卑賎だの薄汚いだの好きに言ってくれるじゃねぇかコイツ」
万斉「ふん、些末な事。ただその暗君が話す時間は拙者にとって必要ないと判断したでござる」
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時