出発 ページ13
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朝一番の飛行機に乗るので、
空港からの距離が遠い方に家がある俺が車を出して、智先生を迎えに行くことになった。
智先生から聞いた住所をナビに入れて、
初めて自宅を訪ねることに緊張する。
フライトに間に合うように８時前には空港につくため、
片道１時間半の道のりで逆算し、余裕をもって出発した。
まだ日の出前の高速道路。
平日早朝の大型トラックの多さに予定していたより少し時間がかかったけれど、
智先生の家の前には約束の時間前に到着できた。
ハイツの駐車場に車を停めて、車内から電話をかける。
すぐにコールが切れて、智先生の声が聞こえた。
「櫻井です！ おはようございます！
今、下に着きました」
『わかりました。すぐに行きます』
「……はい//」
こんなふうに相手が来るのをドキドキして待つなんて……いつぶりだろう。
まるでデートじゃないか。
いやいや、わかってるだろう。
男同士で日帰り旅行に行くことを、デートとは呼ばないんだ。
自分を戒めていたら、
２階の部屋から出て階段を下りてくる智先生の姿がちらりと見えた。
(やっべー/// どうしたってテンションあがっちまう…///)
エンジンをかけたままの俺の車を見つけて、智先生が小走りにやってくる。
ああぁぁ……それだけで誰よりも可愛いですっ、先生！///
いつも見ている仕事用の服ではなくて、普段着姿というのも堪らなく、いい。
そして、無遠慮にドアを開けずに、
助手席の窓からひょこっと顔をのぞかせる仕草にＫＯされかけて、思わず目線を反らした。
「？」
コンコン
窓をノックする音でハッとして、慌てて「どうぞ」と手で合図した。
「おはようございます」
「おはっ おはようございます！//」
「わざわざ車まで出してもらってすみません」
「いえ！// その方が時間効率はいいですから！///」
「……？
顔が赤いですけど体調が悪かったりします？ 大丈夫ですか？」
「だいだいダイジョーブです！！///」
「運転…代わりましょうか？」
「いえ！！///
まだまだまだまだいけますから、どうぞそちらにいてください///」
「じゃあ、お願いします」
助手席から、ふにゃり笑顔。
俺はギアとともに、気合いを入れた。
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