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「そんな思い詰めた顔は似合わないぜ」
前髪をくしゃくしゃにされて見返せば、悔しいくらいのイケメンに微笑まれた。
「ジュン？」
「そうだよ、サトシーラ」
「…………変わらねぇな、その眉」
「Σなっ 今、眉は関係ないだろよっ！」
「冗談だって(笑)」
「……ったく。 あんたはお気楽なまんまだな」
呆れたように息をついて、腕を組むジュン。
なんか、でかくなったなぁ。
「まぁ、姫は そうやって笑ってる方が似合ってる」
「……… その台詞、キザすぎてカユイ」
「なんだよっ それ！(怒)」
「ちっちゃくて可愛かったのに、すっかり変わっちまって…………眉以外」
「おいっ！」
いや、やっぱかわいいか。
詰め寄るジュンに手を伸ばして、さっきされた仕返しに前髪をわしゃっておろしてやった。
「やめろや」なんて逃げるくせに、手は振り払えないでいる。
子供だったけど、その頃から女の子に優しいっつーか、フェミニストっていうの？
そんなとこあったよなぁ。
おいら、今はオンナノコじゃねぇけど(苦笑)
「すっかり変わっちまったのは、あんたの方でしょうよ」
ジュンを追っていたおいらの手が、ぱちんと叩かれる。
またしても、カズの手だった。
「あー うーん…… それ言われると つれぇなぁ」
「そんな顔してないじゃん」
「んふふ わかっちゃった？」
こいつも変わらない。
おいらが『姫』だった頃も、容赦ないツッコミされてたっけな。
「ちなみにさぁ、あんた トシ いくつなんです？」
「わかんね」
「はぁ？」
「おいら、500年前から死んでねぇから……」
「はいぃ！？」
おいらの返事に、カズだけでなく みんなが驚いてた。
「あ、でも １６歳で年齢がとまったわけでもないんだけどね」
「………それは見たらわかります。おじさん」
ホントに容赦ねぇな
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