７〈side MASAKI〉 ページ7
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ゆっくりと振り返ったその子は、
とってもキレイな顔をしてたけど
まぎれもなく ……男……だった。
みんなは、『青の姫』だって認められない……いや、認めたくないって顔してたけど
それでも、もう わかってたんじゃないかな。
「なぁに？」
ふんわりとした笑顔。
めっちゃマイナスイオンが出まくりで、
こっちまで ほにゃ〜っなっちゃう。
笑顔だけで癒されちゃうっていうのかな？
そして、そんな笑顔の持ち主は、
今の記憶じゃ誰もいないし、
前世の記憶でも たった一人だけ、だ。
「ま…間違いない サトシーラ……姫……！」
ジュンが、まぎれもないその人の名を呟いた。
やっぱり、そうなんだね！
やっと会え……
「Σマジでぇー！？」
ショウちゃんが素っ頓狂な声を上げて、ガックリと地面に手と膝をついた。
よほどショックだったみたい。
そうだよなぁ(笑)
俺たちの『姫』が、男になって現れちゃったんだもん。
そういう反応も仕方ないかも。
「あー 驚いちゃった？ ごめんねぇ」
謝ってるけど、全然悪びれないで、首をかしげちゃってさ。
男になっても かわいらしい(と俺は思う)元『姫』の彼は、
木の枝からサッと飛び降りて、俺たちの目の前に近づいてきた。
「お前らと一緒に戦えるように、男になっちゃったの、おいら」
小柄な体つきも変わってない。
持ってる雰囲気も……そのまんまだった。
「サト…ちゃん？」
「んふふ、その呼ばれ方なつかしー。
マサキは、ずっとそうやって呼んでくれてたんだよねぇ」
「ホントにホントに サトちゃんだ！」
俺は嬉しくなって、ぎゅーって抱き締めちゃう。
あん時より少し固く感じるのは、男の体だからだろうけど、
腕にはまりこむコンパクトさは変わらないや。
「お姫様から戦士に〈転職〉しちゃったの？」
「転職……んー、まぁ、似たようなもんかな」
俺の質問にくふふって笑ってるのが胸に伝わる。
なんか気持ちいいな〜って思ってたら、肩を思い切り叩かれた。
「転職ってロープレかよ。バカじゃねぇの？
さっさと その人離せよっ」
叩いてきた相手は、カズだった。
「えー」
「えーじゃねぇっ」
今度はグーで殴られたので、しぶしぶ腕を開いたんだ。
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