６〈side JUN〉 ページ6
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前世では、１２歳のガキだった俺は、
潜在的な能力がどれだけあっても、
どんなに鍛錬を重ねても
その力を十分に使いこなすのに体がついていかなくて、歯がゆい思いばかりしていた。
それは、同い年だったカズも同じで、
俺は訓練に明け暮れることで、
カズは頭脳戦で優位に立てるよう知性を磨くことで
その悔しさを、なんとか埋めようとしていたものだ。
その前世っていうのが、いったいいつの頃の話ってこと自体、実はこの段階ではまだわかってなくて、
この力が、いったい何のために必要なのかということすら思い出せていなかったが
再会できたことの感激の方が強くて、
その記憶を頼りに、目の前に現れた『仲間』たちと接触していた。
赤を守護色にもつショウさんは、頭もよくて、能力も高く、厳しさも優しさももった人で、兄のように慕っていたことを覚えている。
「ねぇねぇ！俺は？ 俺のことわかる！？」
自分を指さした彼の緑色のシャツは、どこかに引っ掛けたのか、裾がビリビリになっていた。
その明るい髪と笑顔は……
「マー」
「当たり！ すごいねぇ〜♪ ジュンかしこい！」
緑を守護色に持つマサキ。
俺たちの中で身体能力が一番高くて、
明るく、みんなを支えてくれるムードメーカーだった。
確か年は１８歳だったっけ。
「え？ 待てよ。じゃ……あ？」
４人の名前を、それぞれに思い出したところで、
俺たちから少し離れ、木の枝に立って空を見上げる『もう一人』に注目が集まる。
「青い……光」
「マジで？」
「…………」
「………うそ、だろ」
青の守護色は、水……そして、空と海を示す。
すなわち、天空のもとにある、すべてのものを操ることができる力を持つ者であり、
俺たちが、命を懸けて守るべき……
「『青の姫』？」
ショウさんがごくりと喉を鳴らして、『貴方』を呼んだ。
その声に振り返る、ダークブラウンの瞳。
「…………」
俺たち３人も固唾を飲んで、返事を待った。
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