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「ん……ぅ……」
長い長い夢から覚めたような……
「……こ……こは……？」
ぼうっとした視界に、青い光がキラキラと舞う。
「青の……星光……？」
徐々にはっきりとしてきた意識で、光の主を見つけ
サトシーラは目をしばたいた。
「……え……？」
青い空を瞳に映し、記憶が混乱する。
確か自分は、青い焔に焼かれながら『黒の王子』とともに封印されたはず。
そして、ゆっくりと起き上がり、
自分の手や身体を見て 再び驚いた。
それは、青い光がヒト型に集まっただけのものだったのだ。
「……なに？ これ……」
ギュウウ……!!
「イタイッ」
頭に直接響く『声』により
サトシーラは、その体が星光よって産み出された、己の残留思念だと知る。
「……我ながら、すごい……シュウネン……」
苦笑しながら、立ち上がれば、
フワフワとした光の体は、少しずつハッキリとした形になり、地面の感覚や風をも感じるようになった。
「感覚が……ある……
星光、これも全部 お前の力なの？」
頭上に浮かぶ星光は、それだけではないと伝えてくる。
「『青の姫』の力……？ なぜ？
私が死んだら、次の器を探すのではなかったの？」
貴女は死んではいない。
星光の告げる内容に、サトシーラは愕然とした。
あの空間に封じられた肉体は、『黒の王子』を捕らえたまま、滅びてはいないというのだ。
「それ…じゃあ…… 私が死ななかったから、次の『青の姫』は生まれないの？」
星光がグルグルとサトシーラの周りをまわりはじめ、
『青の姫』は貴女だと、自分の『主』を主張する。
「まだ 私に戦い……続けろと……？ そういうの？」
サトシーラは両膝をついて、手を顔を覆い、
その場にうずくまってしまった。
「誰も……！ もう誰もいないのに……！！」
流れ落ちる涙も、光の雫
さらさらと、儚く…………消えて行くだけ
しばらく泣き続けるサトシーラの傍らに、
青い星光は 彼女を見守るように浮かんでいた。
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