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４〈side KAZU〉 ページ4
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「っ！」
普段の自分では考えられない身体能力で、走り、飛んで、転げて……また走る。
挙げ句に、ビルの高さの恐怖すらなく、隙間を越えて飛べば、
ようやく追いかけてきた黄色い光を掴みとれた。
そして、そこに立って、知る。
俺は、ここに導かれたのだと。
「んふふ おつかれ〜」
「…………」
初めてみるはずの……なのに、とても見慣れた姿のあなたが
俺と同じように光を手にした３人とともに、俺を見ていた。
「１個目、てこずったみたいだなぁ」
「うるさいです」
「けがはない？」
「ありません」
「なら、よかった」
「…………」
ふにゃりと笑うあなたを、とても懐かしいと感じた。
「これで、５人そろったな」
光が誘導する……ではなく、自然と体がそこへ向かう。
５人が集まり、その間に５色の光が揺れていた。
「…………」
言葉なく、光の玉を寄せ合えば、じわりとした何かに笑みがこぼれた。
「おかえり」
俺たち４人に言ったのか
そのうちの誰かに言ったのか
そこまではわからなかったけれど
あなたが、とても嬉しそうに目尻を下げる。
「！」
すうっと、手の上で光っていた珠が体のなかに入り込む。
痛みはなかった。
「あっ！！」
緑の光を吸収したやつが声を上げて指さした。
はっと見上げれば、新しい光。
「次がくるぞ！」
５人同時に笑って、そして、再び駆け出した。
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