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ジュンのクレイモアが紫色のオーラを発しながら、触手を切り落とす。
触手からはじき出されたサトシーラは、激しい電撃をうけ、
絹糸のように美しい髪と白い肌を焼かれて、意識を失ってしまった。
「サトシーラ！」
その体を抱きとめ、ジュンが仲間が張る結界の中へと急ぐ。
「くっ！」
抱えた負荷のために動きが鈍くなった１２歳の体が遅れをとり、
執拗に追いかける触手に足を取られ、あと一歩のところで結界に届かない。
「ジュン！！」
すでに限界に達してしまい動くことができないマサキとカズを結界に残し、ショウが飛び出した。
「ショウさん！ 姫を！！」
「お前も来い！！」
触手に聖剣を突き立てるも、
次々と襲いくる新手を相手にしながらでは、斬り砕くほどの力が出せない。
ましてや、片腕を失ったショウには、苦難を強いる戦いになっていた。
「くそっ」
このままでは、三人とも……
「――――っ」
自らに掛かる苦痛を覚悟して「斬って」と叫んだサトシーラを思いだし、ジュンも心を決める。
タガーを口にくわえ、片腕でサトシーラの体を肩に担ぎ直し、
自由になった腕で、クレイモアを振り上げる。
「ぐぅぅっ！！」
「ジュン！？」
再び触手を斬り落したクレイモアの刃先は、触手だけでなくジュンの足にまで至っていた。
タガーを噛みしめ痛みに耐えながら、ジュンは結界の中へとサトシーラを運ぶ。
「大丈夫か！？」
すぐさま追いかけてきたショウが結界に飛び込み、力を加えて壁の強度を増しながら問うた。
「……姫は……守ったぜ」
痛みに負けぬよう笑ってみせるジュンに、
マサキが、泣きそうになりながら「うんうん」と頷き、
ショウは、「よくやった」と応える。
「俺たち全員…… 満身創痍ですな」
カズが、新しい血を口から大量に吐き出して、苦笑した。
「もう……奥の手……使うしかなさそうっすね、ショウさん」
「……ああ」
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