３ 〈side SATOSHI〉 ページ21
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肩に ずしりとマサキの重みを感じる。
本気で寝入ってるみたい。
「器用だなぁ(笑)」
結構太い枝だからベンチみたいだけど、
それでも足は宙ぶらりんだし不安定な場所。
それなのに、おいらにもたれかかって熟睡しているマサキ。
それだけ、おいらを信用してくれてるってのは…嬉しいけどさ。
「……………」
気を抜かないように気をつけなくちゃ。
服の上から、ペンダントを握りしめた。
そこにあるのは、代々『青の姫』が受け継ぐべきブルーダイヤではなくて、
星光の力を聖なる水晶に込めた……代用品みたいなものだけど。
「オリジナルがあれば……もう少しマシだったんだけどなぁ(苦笑)」
なぜ、５００年もかかってしまったのか。
それは、マサキが察していたように、
４人の魂の転生した先がバラバラになってしまったから。
それは、４つの星光も同じだった。
本来ならば、
『青の姫』のもとに、４つの力を受け継ぐものが転生し、
星光も、おのおのの主の下に集まるはず。
でも、オリジナルのブルーダイヤは……
「…………」
つまりは、
おいらのこの手には、それを持つことができなかったから、
４人の魂を追っ掛けて、時空を超えて探すという手段しか残ってなかったんだ。
そして、その力を打ち消そうと執拗に狙う『黒の王子』の影と戦ってきた。
転生した身とはいえ、
前世の記憶も力も失い、星光すら手元にない４人に、
おいらという存在も、前世の戦いも、関係のないことで……
だから、おいらは絶対 姿を見せることはしなかった。
マサキが覚えていたのは、
おいらが唯一、マサキの前に姿を現してしまった戦いの記憶だ。
あのときは、何故か『影』の力が強まっていて、
すべてを仕留めきれずに、マサキを直接襲撃されてしまった。
どれほどに怖かったんだろうと思うと、後悔でいっぱいになる。
でも、あの記憶は……タマの力で消したはずだったのに。
「よく……覚えていたなぁ……」
すぅすぅと寝息をもらす頭に向かって、苦笑した。
「記憶……か……」
あの壮絶な戦いは……死んだって、忘れられるものじゃない。
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４ ＜in an old tale＞→←２ 〈side MASAKI〉
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