〜Ｓｃｅｎｅ[02]〜 〈side MASAKI〉 ページ19
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星光が次のタイミングでやって来るのは、５時間後。
丘に帰ってきたら、カズが待ち構えてて、サトちゃんの代わりにそう教えてくれた。
「俺は、それまでひと眠りさせてもらいますよ」
カズは、ちらりと木の上に視線をやってから、
丘の頂上から少し外れた場所にある岩陰へと行ってしまう。
ああ、そうか。
また、あそこにサトちゃんがいるんだね。
カズから暗に『交代だ』と告げられたことを察して、
俺は、よっこらせと枝に手をかけた。
ショウちゃんも、ジュンも まだ帰ってきてない。
「サトちゃんは、木の上にのぼるのが好きだねぇ」
サトちゃんが座り込んでる枝に登りついて、幹に抱きついたまま、声をかけた。
「空と街が見えるから」
俺に振り向いて、ふにゃりと笑うサトちゃん。
「……っ……」
俺は、その光景にデジャヴってやつを見てハッとした。
「あ……のときはさ……もう、男の子だったよね」
「！！」
サトちゃんの笑顔が、驚きで消える。
「……………なんで……？」
「今、思い出して……気づいたの」
「え？」
サトちゃんのいる枝に足を掛ける。
俺をじっと見ている視線に笑いかけて「隣いい？」って指さした。
サトちゃんは頷いて、俺が座れる分だけ横に移動してくれる。
そのスペースに腰を下ろした。
「あのときはさ、≪前世≫の記憶がなかったから、全然何のことかわかんなかった」
「…………」
「もしかして、この体になる前の『俺』の記憶？」
「…………うん。 まさか、覚えてると思わなかった」
「結構さ〜 強烈な記憶だよ？
だって、変なやつに追いかけられて、殺されかけたんだもん」
「……………」
「確か、日本じゃなくて違う国で…… 俺はまだ子供で……
違う？」
「…………うん、そうだよ」
「サトちゃんが助けてくれて、こんな木の上に逃がしてくれたんだよね
戦うこともできなくて、コワくて震えがとまんなくて……
サトちゃんが、あの影たちと戦う姿を……見てるだけしかできなくて……さ」
「そのときは
「それでも…… 悔しい」
「マサキ」
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