Blue Ocean ～青色王子に夢中～ (ページ35)

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とある新米探偵の誤算２ページ35

本来なら、依頼人の話は筑紫さんが応接室で聞く。

でも、お嬢様は男女二人っきりで閉鎖的空間には入るべからずのルールがあるそうだ。

まさに＜深窓の令嬢＞ってやつ？

そんなお嬢様が、大学から外車を乗りつけて、自らこの探偵社にやってきた。

よほどの勇気ある行動ってやつなんだろうな。

「一週間ほど前に、わたくしの家のセキュリティ管理の定期検査にいらした方で…」

俯き、頬を染めながら、調査対象の人物について語り出す。

つまりだ。

家にやってきたセキュリティ会社の男に、一目惚れしちまったってことだな。

「その方がどのような方なのかわからないまま、お会いするなんて出来ませんし。でも…」

「会いたいし？」

「…………はい///」

お～お～、また紅くなっちゃって、ウブいとこもたまんないね。

「定期検査でやってきたんなら、また来るんじゃないの？」

飛鳥がマニキュアを気にしながら尋ねたら、彼女は首を横に振った。

「お見かけしたのは、その時がはじめてでした。その日は新しいシステムを導入するから、特別に同行されたと聞きました」

「ふぅ～ん。そのたった一回きりで好きになるなんて、よっぽどイイ男なんだ♪」

飛鳥、なんかノリ気になってきたな。

「とても綺麗な方でした」

「「「は？」」」

綺麗？？

なんだそりゃ。

オジン系が好きな飛鳥は一気に興味をなくし、俺と淳平さんはなんのこっちゃと首をひねった。

「お仕事のお話を一生懸命されるお声も素敵で…」うっとり

はぁ…？

ま、とにかく、そいつがどんなやつかを調べるんだな。

簡単な仕事じゃん♪