55.自覚なし ページ7
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「お昼は、子供たちと給食を食べてるから抜くことはないですけど、
智先生は、ここにきて一週間。
ちゃんとご飯食べてないです」
「そんなはずは……」
「あります！」
「………」
なんで、おいらのことなのに、先生の方が断言してるんだろう。
「A先生の代わりに……いえ、それ以上に
一生懸命頑張ってくださるのは、とてもありがたいです」
「はぁ……」
「でも、先生が身体を壊してまでここで無理をされるのは間違いだと思います」
「だから、無理は……」
「「してますよ！」」
あれ？
声がダブったぞ？
「相葉先生？」
「智先生は自覚無さすぎです！」
えええ？？
「あの……相葉先生？(汗)
なんで、泣いてるんですか？」
「智先生のせいです！」
はぁ？
「どういうこと……」
「俺が無茶なお願いをしてしまったせいで……智先生が……(涙)」
「おいらは大丈夫……」
「じゃないです！」
だから、なんでだよ？
おいらのことを、他人が断言しないでってば。
自分のことは自分でわかってるつもりだし
このくらいは、平気で……
「ここに来たから、智先生が倒れたなんてことになったら、
あのとき泣いて別れてきたあの子たちに、
俺、なんて謝ればいいかわかりません！！」
「え……？」
「みんな、智先生が帰ってくるのを待ってるのに！
いっぱい我慢して、待ってるのに！」
「…………」
「あの子たちのためにも！
ちゃんと倒れないように、ご飯を食べてください！！
これの仕上げは、俺に任せてください！
いっぱいいっぱい丁寧に教えてもらったから、俺だって出来るようになってます！！」
俺が置いた弁当を付きだし、ボロボロ泣いてる相葉先生に
おいらは苦く笑いながら、立ち上がった。
工作クズを服から払って、弁当を受けとる。
「ありがとうございます。
それじゃあ、あとは頼みますね」
「智先生ぇ……///」
ぐしゅって鼻をならす彼は、
もう一人の先生にも苦笑されていた。
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作者名：たると
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/tarutolist01/
作成日時：2015年12月2日 12時
