素直 ページ12
「...おはよ」
そう俺が口にしたのはあくる日の朝。
がやがやした下駄箱で立花を見つけた時のことだった。
昨日と違い、すっきりと髪をまとめてきた立花。
その隙間から見えるうなじにドキッとする。
「あ、上杉君!」
ぱぁぁと太陽のような笑顔でほほ笑まれて思わず顔が熱くなるのを感じる。
「おはよう!」
っ!
ねぇ...まじでなんなの。
俺のこと殺しにかかってきてるだろ。
たった四文字で。
破壊力凄すぎ。
...かわいすぎなんだよ。
「どうかした?」
不思議そうにこっちを見てくる立花に本当のことを言えるはずもなく、ぼそっとこう呟く。
「別に?なんでもね。」
ふーん?というように首をかしげる立花に少し罪悪感を覚えながらこっそりため息をつく。
あー俺って素直じゃねーな。
でもさ。
素直になるってむずくね?
どうすれば変なプライドにじゃまされず素直になれんだろ。
そんなことを思いながらゆっくりと立花の横へ急いだ。
☆
2人で階段をあがる。
その間も無言。
でも隣にいられるだけで幸せだった。
立花の隣にいると昨日のこいつの言葉がよみがえってくる。
上杉君、私がここで始めての友だちなんでしょ?
...あはは、私も!
こう言った時の立花の顔はすごく複雑で。
なんだか嬉しいような。
切ないような気持ちになった。
でも。
こいつの初めての友だちは俺で。
本で調べたんだけど友達って助けあわなくちゃいけねーんだろ?
「仲間」と同じで。
だから。
唯一の仲間として。
俺がこいつのそばにいなくちゃ。
とか思ったり。
って。
いやいやいや。
何考えてんの。
俺立花の彼氏でもなんでもねーのに。
自分で言ってて恥ずかしくなる。
くっそまじできも。
思わずため息をつきそうになってはた、と気付いた。
そんなことを考えてる俺も結構ヤバいと思うけど。
でもさ、逆に。
好きなやつと一緒にいて冷静に、こんな感情いだかねーやついんの?
これ普通なんじゃね?
そうだ、これが正常なんだ。
きっとこれが人間のする恋ってもん。
だろ?
そんなことを思っている時。
立花がこう振り返って口を開いた。
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ストロベリー - うわぁ……面白いですー!更新いつ頃出来そうですか?早くして欲しいです!って図々しくてごめんなさい。でも、それくらい楽しみです。上杉推しなんで本当に面白い!早く更新して下さい。前回の投稿で2018年?いま、2021年ですよ?ww手抜きすぎじゃない?笑 早くして、 (2021年4月22日 16時) (レス) id: dc18879ee4 (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - ゆゆさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!気に入ってもらえて嬉しい限りです…!!受験生なんで更新はマイペースだと思いますが自分なりに頑張ります!ありがとうございます! (2018年8月22日 8時) (レス) id: 7c3b5f2f13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - この物語、すごく気に入ってます!これからも更新頑張って下さい! (2018年8月21日 10時) (レス) id: 3b4cec5f64 (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 夢月さん» ありがとうございますw!引き込まれるとかめっちゃ嬉しいです!頑張って書いたかいがあったー!って気がするんでw応援とっても嬉しいです!頑張りますね〜! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 7c3b5f2f13 (このIDを非表示/違反報告)
夢月 - 物語に引き込まれる〜って感じです!(笑)面白すぎる!更新頑張ってください! (2018年8月15日 16時) (レス) id: 67f263e71b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年8月1日 11時