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1話 ページ2

「祐〜」


甘ったるい猫なで声が少し遠くから聞こえてくる


チラッとそちらを見れば1人の男の子が複数の女の子に囲まれているのが見えた


毎日見るこの光景にも少し慣れてきたな、と感じる


2年になる時のクラス替え、最初にこのクラスに入った時は女の子たちがキャーキャー騒いでいて新学期早々何か事件でも起きたのかと思ったのをよく覚えている


後々2年でも一緒のクラスになった仲の良い友達に聞いて見ると、なんでも凄くかっこいい男の子と一緒のクラスになれたことを喜んでいる女子の声だったとか


それを聞き、騒ぎの中心にいる男の子を見ると確かにとても整った顔をしていた


名前は水野祐くんというらしい。名前までかっこいいなんて…


最初のうちは私もかっこいいなと眺める日々が続いていたけど、新しいクラスになってから1ヶ月も経つと水野くんを眺めることはなくなった


確かにとてもかっこいいとは思うけど、水野くんと関わってあそこの女子軍団の目の敵にされたら間違いなく平穏なスクールライフは送れなくなると言っても過言ではないだろう


え…なになに?でも見てるだけなら別に問題ないだろうって?


甘いな…考えが甘すぎるよ。


数日前、いつものように水野くんに見惚れていた際女子とばっちりと目があった


なんでこっちをそんなにもじーっと見てるのかと最初は不思議で首を傾げていたが、次第にこっちを見ているわけではないことに気がついた


いや…見ていることは見ているんだけど……こっちを凄く怖い顔をして睨んでいたのだ


さも水野くんを見るなと訴えているその目はとても恐ろしいものだった


きっと見ているだけでもいつか裏庭とかに呼び出されて、あんた目障りなのよ!…的なことが起こることは間違いない


まあ元々水野くんに恋愛感情なんてものは持っておらず、目の保養として見ていたから彼を見れなくなった程度で苦痛になったりなどしないのだ


水野くんの周りにいる女の子たち…彼女になれるように頑張れよ。なんて他人事に心の中で応援をし、それ以来水野くんを眺めることはなくなったのである

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設定タグ:サンリオ男子 , 水野祐
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作者名:零斗 | 作成日時:2018年2月15日 0時

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