Trentacinque ページ37
「も〜怖くて手足ぷるっぷるで」
向こうの群がりの方から先輩の声が聞こえて、そこに目を向けると囲まれていた。
片手にはラーメンの丼を持っていて、あーだこーだと話していた。
あ、ラーメンいいな……
どうやら事情聴取のようなものをされていて、警戒されているのは明白だった。
特に金髪の女の子が一番友好的でないらしく、双剣を構えていた。セイバーやん
当の先輩は、ぺらっぺらの、テレビでよく見た愛想笑いを浮かべてこれまたペラペラの言葉で会話をしている。
一触即発の雰囲気にはらはらしながら見守っていれば、特徴的な髪型の少年が何かを告げた。
それを機に周りの人もそれぞれ武器を下ろした。
ほっと胸を撫でおろす。
ひとまず彼がすぐに殺される事は無さそうだった。
そしてはた、と気が付いた。
あれは、あの特徴的な髪型は、なかなか普及しているヘアスタイルではない。
重力に逆らってしなやかに伸びる髪は、先端にかけてどんどん緑がかっている。
そこから零れるように垂れている二束の髪。
まさにダイコン、という表現が合うような。
そんな髪型をしている人を、私はこの世で一人しか知らない。
つまりそれは、そういうことで。
ああ、やっとだ。
ほんの数日だけれど、とても長く辛く感じた旅。
その終わりを告げるように彼は立っていた。
私は先輩の護衛という、本来彼を探すための存在ではないけれど、いつか見つけようと思っていた。
会おうと思っていた。
「あぁ……見つけた」
ぽろり、と正に口から零れたと言うのがふさわしいくらいに自然に零れたそれには、安堵と期待が詰まっていた。
集落を見つけた時同様、口の端がどんどん上に上がっていく。
ふと、いつか聞いた歌を思い出した。
──Someone to find and I know that times are tough
Just down and out pulling my faith in tomorrow
I'm ready to go but I don't know where to start
Each and every road seems to be calling to me
Pulled in each way, so I made my own path
A deep breath and my best foot forward
One small step from zero, I'm not afraid
'Cause the world that we want is right here for us to make……
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_____(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして!コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです!相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
米 - 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:____(かせん) | 作成日時:2020年3月26日 12時