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Due ページ4

今を弥生時代あたりと同等の文明と考えると、満点以上の服装だ。
この時代には余程器用な人がいるのだろう。

そこまで考えて最後に話した友人の杠の顔が浮かんだ。
彼女は今どうしているのかな、元気かな、石化から復活してるのかな。

次々と疑問が浮かび、頭に居座る。

なんだか目頭が熱くなって、視界がぼやけてきた。それが涙だと気がついてはっとする。

少し前を歩いている司くんに気付かれないようにさっと拭って、弱気な考えを頭から追いやる。

しばらくザクザクと歩いていけば、大きなほら穴のような場所に辿り着いた。

「ほぁ……」

先程とはまた違った間抜けな声が出てしまったがそこはご愛嬌で。
周りには蔦で作ったと思われる橋が出来ており、そのほら穴から別の場所に繋がっているようだった。

「マッチョがいっぱいおる……」

素晴らしいマッスルを持った人達が歩いている所を見ると、橋は十分な作りであるのと同時に、集団で生活が出来ていることが分かった。

「さて。まずは現状だけど、」
「うん、なんか、何となく分かりました。でも、私は特に何かができるとは思わないんですけど……」
「話が早くて助かるよ。君の能力は聞いているから……裁縫や採取の方に回ってくれるかな」
「…っ!………」

なぜ、私の能力のことを知っているだろうか。
能力なんて言うと魔法だとか、特殊能力のように聞こえるけれど、そんなことは無い。

「超人的な模倣……うん、それが君の能力のはずだ」
「……どうしてそれを知ってるの。なんで私の名前も、知ってるの」

知らない人から自分の情報を細かく把握されているというのは、こうも気持ちの悪いことなのか。

恐怖や戸惑いで震える声を必死に抑えて問う。

先程までお元気いっぱいだったはずなのに、嫌な汗が滲み出てきて、お腹も痛くなってきた。

世間でいうところの共感覚。
その延長線上にある、ミラータッチ共感覚と呼ばれるものを保持している。

それは他人の感触が自分に伝わってきて、まるで自分が触れていると錯覚するものだ。

だからなのか、見ただけで殆ど相手の行動をコピーできる。
勿論本人には劣るけれど、その精密さ故に能力なんてご大層な名前で呼ばれている。

──でも、

「その情報は私が幼少期の時のもののはずです。それ以降は情報を隠したし、自分から漏らしたことなんてない」

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_____(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして!コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです!相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
- 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:____(かせん) | 作成日時:2020年3月26日 12時

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