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Venticinque ページ27

「ヒィ〜、鈴ちゃんゴイスー慣れてるね。サバイバル」
「まっさかぁ!あれですよ、周りの人がナイスマッソーだったのでね、そのおかげですよ」
「あー……アレね」

アレ、とは私の能力のことを言っているのだろう。
使い終わった皮を小さめに切っていく。
ついでに角も小さめに折って少しずつ削り、棒状のものにしていく。
小物入れや、他の何かに使えそうなので、半分ほど先輩に渡しておく。

「どーぞー」
「?」
「何か仕込みに使えそうでしょ」

言えば、ああ、と納得したような顔をする。そのついでに短く切った紐も幾つか渡す。
そうすれば、先輩は目を見開いて驚いたような顔をした。

「な、なんですか」
「鈴ちゃん、メンタリストの才能あるんじゃな〜い?ジーマーで」
「……そりゃおありがたい言葉ですな」

へいへい、と耳をほじる勢いのシケ具合で返せば、「ドイヒー!」と返ってくる。
元気だなあ、おい。

そのあとはしばらく川で水を汲んだり少しだけ休憩をした。
ご飯も食べて、いっぱいだったお腹も少しは落ち着いたころに、また箱根に向けて出発をした。



「はぁ……っはぁっほら……」
「はっ、ちょ、まって……はぁ……」

時は夕暮れ。
最早会話なんてなかった。

相変わらずの慣れない道を進んでいく。途中川も渡ったせいか、体力を倍使った気がする。

もうこれ以上無駄に体力を使いたくなかったし、何よりそんな気力が余ってなかった。

ぜぇはぁと、若者二人らしからぬ息の上がり具合で岩肌剥き出しの山を登っていく。
段々と、箱根特有の硫黄の匂いが増してきた。
目的地に着いたのだ。

「っはぁ!……ふぅ……、着き、ましたよ……」
「ひぃ、……はぁ、はぁ……ほんと?」

少し登ったところに、平地になっている場所があった。
そこにはいくつか池があり、こぽこぽと何かが湧いている音がした。少し濁った水からは、湯気が立っていた。

「温泉だ!」

どちらからともなく声を上げる。やっと着いた。
なんて疲れる道だったのだろう。
思わず杖がわりにしていたなんかイイ感じの棒を放ってヘナヘナと座り込む。

とりあえず、今日はここが寝床だ。ここはどうやら火口でもないし、危険では無さそうだ。
早速火を起こして、この空腹を満たそう。

──の前に。

「まずは疲労回復と行きましょうか!」
「お〜!」

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_____(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして!コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです!相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
- 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:____(かせん) | 作成日時:2020年3月26日 12時

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