Tredici ページ15
作業部屋に行けば杠もいて、二人できゃっきゃとあらかじめ作ってあった服から選んでいく。
服を渡して着替えさせて(もちろん私たちは見てない)司くんの所にまた案内する。
一週間くらいで、何となく場所は把握したからもう誰かに道を聞かずに済む。やったぜ。
「はい。それではストーンワールドでの生活をお楽しみください」
「なんだ、それ」
おどけて入口の方を指せば、ありがとうと礼を言われる。
くすっと笑った所を見れば、最初に会った頃の緊張や戸惑いも幾ばくかは無くなっているようだった。
「俺は藤田律也、よろしく」
「私は夏目鈴です…って言ってももう苗字が機能してないようなのでね。私はどっちも名前みたいだと言われるので好きな方でお願いします、律也さん」
ではまた〜、と手を振って作業部屋に戻る。
「鈴ちゃんおかえり〜」
「ただいまぁ〜」
作業部屋では杠は先程律也さんに渡した服と同じデザインのものを作っているようだった。
最近肉が多いから、動物の皮もよくここに運ばれてくるんだとか。
でも使えるようにするために鞣さないといけないんだよね……地味に大変だんだよあれ。
そこらへん、分かってるのかな狩猟班……
今朝獲れた鹿の皮を脱毛処理して鞣す。
器用さが取り柄といっても過言ではないが、器用さと筋力が両立しているとは限らないのだ。
これであとは干して終わりという所でお昼が出来たようだった。
相変わらずの昼食を食べて、午後に山菜採りに行くことを伝えられる。
それまで何してようかなと考えていると、戦闘訓練のことを思い出した。
ウキョウさん。少し前に復活した杠なら知ってるかもしれない。
「ねぇ、ウキョウさん？ってどこにいるんだろ」
「えーっと……多分木の上？」
「なんて？？？」
事情を軽く説明すればなんだかとってもファンタジーな答えが返ってきた。
木の上とかどんな妖精さん？
口から零れそうになるツッコミをぐっと喉の奥に押し込む。
聞けば彼は耳がいいから見張りをしていることが多いらしい。
でも基本木の上から見てるから、こちらとしては何処にいるかは明確には分からないんだそうだ。
へぇ〜、と思わず声が漏れる。
ならば山菜採りの時間までにその人探すのが目標だ。
杠に探してくることと、これは急ぎではないから人手がいるならいつでも呼んで欲しいことを伝えて作業部屋を後にした。
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＿＿＿＿＿(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして！コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです！相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (
レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
米 - 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：____(かせん) | 作成日時：2020年3月26日 12時
