やっぱり、君は優しいよ。 ページ10
｢竹谷、どうしたんだい？｣
｢犬に噛まれました…。｣
｢また？｣
また、ということは今までに何度も同じことをしているのか
｢あ、彼は五年の竹谷八左ヱ門。で、彼女は亜月ちゃん。｣
薬を塗りながら善法寺くんは双方を紹介する
紹介された青年はこちらに笑顔を向けた
｢初めまして、竹谷八左ヱ門です。体調は大丈夫ですか？｣
｢初めまして。ええ、お陰様でね。腕、大丈夫？｣
噛まれたという腕は赤くなっており、噛まれた跡や引っかかれた傷がいくつかある
とても痛々しい
竹谷くんは苦笑いを浮かべる
｢一匹だけ、懐いてくれない子がいるんです。無理に触ったりはしていないんですけど、餌をあげたりする時に突然噛み付いてくることがあって…｣
｢竹谷は生物委員会の委員長代理も務めているんだ。学園で飼っている生き物は皆竹谷に懐いているんだけど…なんでだろう。｣
あんまり繰り返されると傷が残っちゃうよ…と小さく呟く善法寺くん
｢前の飼い主に酷いことをされていたみたいなんです。それがトラウマになっているのかなと…。｣
悔しそうに竹谷くんは俯いた。
｢そんな…可哀想に…。｣
｢でも、諦めずに少しずつ、少しずつ、距離を縮めていきます。絶対。｣
勢いよく顔を上げ、そう言って明るく竹谷くんは笑う
｢…竹谷くんは優しいんだね。｣
私がそう言うと、竹谷くんは照れることなく、ふっと真面目な表情を浮かべる。
｢…いえ、そんな事ないです。…一度心に傷を負うとそれを完全に取り除くのは難しい。でも、この学園にいる間は少しでも安心して過ごせるようにしてほしいんです。｣
ちょうど手当を終えた竹谷くんは立ち上がる
そしてこちらに振り向き、明るい笑顔で言った
｢それに、生き物を飼ったら最後まで面倒を見るのが生物委員会のモットーですから！｣
｢やっぱり君は優しいよ。君に世話をしてもらっている生き物も、仲のいい後輩の皆も、幸せだね。｣
それを聞いた竹谷くんは、今度は静かに笑った。
｢ありがとうございます。怪我が回復したら亜月さんも是非飼育小屋にいらしてくださいね。｣
忍術学園の生徒たちは皆、とても優しい
本当に忍者を目指している子達なのか心配になるくらい…
戦闘なんてできるのだろうか
ふとそんなことを、医務室を後にする竹谷くんの背中を見て思った
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たると(プロフ) - れなさん» ありがとうございます！少し人見知りだけど芯が強い夢主ちゃん、私も好きです( ˙˘˙ )♡これからも楽しんでいただけると幸いです…！ (2022年2月1日 23時) (
レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……！あと1ヶ月ほどほぼ無更新に近い状態になりますが、更新再開まで気長に待っていただけると幸いです……！ (2022年2月1日 23時) (レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - とても面白いお話で、ストーリーの流れや、夢主ちゃんの性格など、とても好きです☺️更新楽しみにしています！ (2022年2月1日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは 夢小説読ませていただきました 面白かったです‼️ 更新頑張ってくださいね (2022年1月17日 19時) (レス) @page34 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - みぃぷる�鵑気�» とても嬉しいお言葉ありがとうございます…！文章の表現の仕方は意識をしているのでとても嬉しいです。これからも楽しみに待っていただけると幸いです(｡ᵕᴗᵕ｡) (2021年11月26日 17時) (レス) id: 952e98308a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たると | 作成日時：2020年7月10日 8時
