私に考えがあるのですが ページ9
えっ、と全員が声を出した
「すまない、死体処理に行ってくる」
さっとAが立ち上がると、何故か続けて喜八郎も立ち上がった
「喜八郎?」
同室が心配の声を上げる
「僕も手伝います」
「…そうか、分かった」
Aは一瞬考え込むが、すぐに了承の返事をし、二人で部屋を出ていった
二人が出てすぐ、留三郎が声を上げた
「クロユリ城に1番詳しいのは亜月なのに、当の本人が出ていってどうする…」
「仕方ない、私達が分かる範囲で作戦を立てていよう」
「そうだな」
Aと交代するように仙蔵が進行を始める
「彼女ほど詳しくはないが、城の知識は皆もある程度持っているはずだ。意見があったら出してくれ」
仙蔵の言葉に、真っ先に文次郎が口を開いた
「クロユリ城は火薬、毒薬を多く使っていたはずだ」
「火薬の動きが大きくなる頃を調べると大体クロユリ城の名前が出てくるね」
「そうだな。戦の様子を見ても火器を多く使用していた」
文次郎に続いた伊作、留三郎の言葉に頷き、仙蔵は筆を手に取った
「となると、火薬庫の周辺は数人張り付いていた方がいいな。火薬の盗みや倉庫への攻撃があるかもしれない」
仙蔵は火薬倉庫を囲むように見取り図に丸をつけた
「そう考えると医務室も、珍しい薬草が意外とあるし、僕が調合した薬もあるから気を付けないとだね。ほら、…例の要注意人物とか」
「それに医務室は重症をおった場合の処置室にもなる。必然的にここも…だな」
そう言いながら仙蔵は火薬倉庫と同じように医務室に丸を付けた
その後も着々と話し合いが進んでいくが、停滞したところでふと三郎が声を上げた
「私に考えがあるのですが」
「なんだ」
「それは____」
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作者名:たると | 作成日時:2022年5月8日 19時