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其奴に目をつけられたら死ぬと思え ページ7

一呼吸置いて、Aは説明を続ける


「クロユリ城の作戦決行は何か不都合が無い限りいつも同じ時間です、おそらく今日も…。襲撃まであと二刻ほどでしょう」



「二刻か、時間が無いな」


「下級生の事なども考えるとかなり急がないとですね」



唸る山田と土井を見た学園長は声を上げた



「これから作戦会議に移るが、時間が限られておる。生徒と教師で別れて会議を行い半刻後に再びここに集合すること!」



はっ、とその場の全員が短く返事をし、各々が動き始めた



.



別部屋へ移動した生徒達は、学年が混ざるように円になり、学園の敷地全体の地図を真ん中に広げた




「亜月ちゃん…じゃないや、Aさん」



目が合った伊作は自身の隣を指して、ここに入って、と微笑んだ



「別に亜月でも構わない。学園での名前は一応そっちだし」



Aは伊作を一瞥し、指されたところへと入る




少し冷たく言い過ぎただろうかと、他の者の気まずそうな表情を見てAは一瞬だけ後悔する


ほんの少し前までの自分とは大違いだな、とAは心の中で笑う



しかしそんな事は全く気にせず伊作は笑った



「じゃあ亜月ちゃんで」

「……」



ニコニコと笑う伊作に返答はせず、Aは視線を前へ戻した





バチリと仙蔵と目が合った



Aはほんの少しだけ目を細めるが仙蔵はじっと見つめるだけで、その目から心情は読み取れない


守一郎が心配そうに2人を見つめるのがAの目に映った




「人数は多くないと言っていたが、私達で相手はできるほどなのか?」



二人の睨み合いを遮るように、小平太が声を出した



「…何とも言えないな。忍たまの上級生の実力はそこら中で噂されているが、私は実際にその姿を見た訳では無いから」



「油断はするなということか!」


「でもまあ、本当に噂されている通りの実力なら何とかなるとは思う」



チラリと小平太を見る




「…だけど一人だけ、ずば抜けて戦闘力が高い男がいる。以前依頼を受けたとある城の部隊はそいつに全員殺られた」




室内の空気が強ばる



それとは対照的に、小平太は意気揚々とした表情を浮かべた




「それは腕が鳴るな!是非相手したいものだ!」


「七松先輩…」



横に座る滝夜叉丸は頭を抱える




Aは小平太をキッと睨んだ




「ダメだ、絶対に戦闘は避けろ!其奴に目をつけられたら死ぬと思え」



Aの必死な表情とその言葉に、その場の全員が息を飲んだ

放置したままだ→←素の私ということになります



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作者名:たると | 作成日時:2022年5月8日 19時

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