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あ、死ぬかも。 ページ17

瞬く間に距離を詰められ、寸鉄の鋭利な先端が眼球に届く寸前で兵助は思いっきり体を反らす。
直ぐに体制を整え、八左ヱ門の拳を避けた女のこめかみを狙って苦無を振る。


後ろへ飛んで避けた女は何が笑いを零す。


「やばいやばい、楽しめそうじゃん。ちょっと本気出した方がいいかも、私」


女が言い終わる前に兵助と八左ヱ門は距離を詰めた。暫く激しい攻防戦が続いたが、ふと、女の回し蹴りが八左ヱ門のこめかみに入った。


「ぐッ、あ!」

自分達とそこまで変わらない威力の蹴りにぐらりと視界が揺れ、八左ヱ門は地面へ倒れ込む。


「八左ヱ門!!…っ!?」


すると突然女は組み合っていた兵助からするりと離れ、倒れる八左ヱ門に寸鉄を振り下ろした。


「このッ…!!」


兵助の咄嗟のタックルで二人は地面へ転がる。

女の手から寸鉄が離れ落ちた。
隙を見て兵助は女に馬乗りになり、咄嗟に、意図せず、自身の得意武器を懐から取り出した。__取り出してしまった。


「ダメだへいすけ…!」


己に近付く"それ"を見た途端、女の目が変わった。


「ぐあッ!?」


先程までとは比にならない力で、兵助は吹き飛ばされた。すぐさま上体を起こすが、女の様子を見た途端背中にぞわりとした何かが這う。


「やだやだやだ…君それで戦えるの?うそぉ!お姉さん嬉しいなぁ!」


こちらを見下ろす女の目はギラギラと光っていて興奮しきっているのが分かる。彼女が纏う気配が恐ろしいものに変わったのを感じて、兵助と八左ヱ門は同じ考えが頭に浮かんだ。



あ、死ぬかも。



「君達にちょっかいかけて良かったあ、大丈夫だよそんな怯えなくても!ちょーっと遊んだら楽に殺してあげるからね」



ゆらりと女が動く。

すくんだ足を勢い良く叩いて、兵助は立ち上がった。金属と金属がぶつかる。耳障りな音が響く。


「…う…ッ!」
「なかなかやるねぇ、君、名前教えてよ」



余裕かよ、くそ。

女の一撃が兵助の頬を裂いた。血が浮かび、静かに流れ落ちる。


返事をする代わりに蹴りを繰り出す。女の腹に入った。


「ぐっ、え"……」


女が嘔吐いたところを詰める。ぎらついた目に目掛けて寸鉄を突き出した。いける。


「ガはッ!?」


直前、背中に大きな衝撃、地面に勢い良く倒れ込む。背中にかかと落としをくらったのだ。
瞬く間に右肩甲骨に近い部分に激痛が走った。鋭く、キーンと響くような痛み。


「う"ああッ!」


刺されたのだと理解するのに時間はかからなかった。

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作者名:たると | 作成日時:2022年5月8日 19時

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