探偵チームKZ事件ノート卒業式は知っている

過去(笑って) ページ25

本当にごめんなさい。
彩「騙してるつもりは無かったの。何度も何度も謝ろうとした。でも、私には清水くんの笑顔を壊す事なんて出来ないの…。ずっと黙っててごめんなさい。」
頬に熱い物が流れた。
この涙は清水くんへの罪悪感。
それと、こんな清水くんを悲しませる事を言ってしまった私の恥ずかしさ。
こんなバカなこと。
しなかったら？
しなかったら清水くんに謝らなくてもいいのに。
清水くんを悲しませないですむのに。
彩「っ…ごめっ…んな…さい。」
何も言わない清水くん。
でもきっと悲しんでる。
私が騙していたから？
私が貴方を悲しませてる。
胸が、痛い…っ。
彩「清水くん…。」
清「立花さん。俺さ。」
悲しそうに微笑む彼。
清「君に恋して、良かったよ。」
清水くん。
清水くん。
どうして？
私に怒らないの。
私は貴方を騙してたんだよ？
なのに、なんで…っ！
優しすぎるんだよ。清水くんは。
清「最後にお願い、していい？」
お願い…？
私に出来る事なら。
彩「うん。」
清「最後に。






　




　 笑って？」

え？
笑う…？
清「俺と立花さんが出会った日覚えてる？同じクラスだけど接点が無くて話た事なかった立花さんと俺が出会った日。俺ら２人、ぶつかって立花さん『ごめんなさい』って言った後さ。俺が『いいよ。』って答えたら笑ってくれたよね。フワッて。ペンギン触ってる時もあの時の事思い出してたんだ。あの日は絶対、忘れないよ。だから俺らが出会った日みたいに笑って…。」
私は、少し恥ずかしかった。
『笑って』って言われて人前で笑うのは。
でも清水くんの願いを叶えてあげたい。
だから私は笑ったんだ。
とびっきりの笑顔で。
あの日みたいに。

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