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結果は芳しくない。
その類に詳しい人物であっても、流通ルートを特定する事は叶わなかった。
他も同じような調子であり、まるで蜃気楼を掴もうとしているようで、スティーブンは頭が痛かった。
それでもスティーブンとAは粘って調査を行ったが、正体は未だ濃霧の中。大した成果も得られずに、陽が傾いた。最後に出向いた裏路地は、日没も待たずに暗くなった。
そろそろ俺たちも撤収しよう、声を掛けようとした時、路地の奥まった方から、フラフラと此方へ向かってくるビヨンドが1人。
「(酔っているのか...？いや、アレはヤク中か。)」
HLで薬 物中毒者とバッタリ会う事は何ら不思議なものでも無い。
なるべく関わらずに撤収しよう、とスティーブンは姿を隠したAに告げ、早々に立ち去ろうとした。
「アゥアァれぇ？女の匂いがするゼェエえ！！！」
刹那、姿を隠したAにソイツが振り回した拳が当たる。勢いよく飛ばされた衝撃で、彼女の体は壁に穴を開け、全身から夥しく血を流す。
隠蔽時に気付かれる可能性をできる限り排除した彼女が、その体臭により気付かれることは今までなかった。
あの鋭敏な嗅覚、壁に穴を開ける程に強化された腕力。目の前でラリっているビヨンドは、エンジェルスケイルの中毒者であった。
「...人の嫁に怪我をさせるとはいい度胸だ。
死をもって償え。
エスメラルダ式血凍道
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「A！！！」
スティーブンは中毒者を凍らせると、一目散にAの元へ走った。
既に全身からの出血は止まり、傷口も綺麗に塞がれているが、A苦しそうに顔を歪めている。
「どうした、まだ何処か痛むのか！？」
Aは顔を青くし、額に汗を浮かべて訴える。
「痛い！痛いの、私の尾ひれが、途轍もなく痛い！！助けて、スティーブン、助けて！」
スティーブンが彼女の尾ひれを見ると、人間でいう下半身にあたる部分が、歪に盛り上がっていた。切傷などが癒えたにも関わらず、尚も、痛い、と叫ぶ彼女に、スティーブンは「まさか」と口から漏らした。
自分の指の皮を噛み切り作った氷刃で、彼女の尾ひれを引き裂いた。
その痛みで又も絶叫する彼女をよそに、スティーブンは深く深く刃をつき進める。
ゴリ、と何か硬いものが刃に当たり、それを氷刃で抉り出す。
それは自分の掌程の折れた鉄筋の欠片だった。彼女の体は、この異物の存在など関係なしに傷口を塞いでいたのだ。
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9t9 - 血界戦線大好きのスティーブン推しで貴方の作品を見つけました。本当にこの作品が大好きです！ツェッドさんとか出てきたら絡みがどうなるのかとかも楽しみだし単純にこの先の物語が楽しみでなりません！！更新が止まっていらっしゃるようですがずっと待ってます！ (2022年10月19日 16時) (
レス) @page38 id: f8f6fc2c71 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃぼ(プロフ) - いつまでもお待ちしております...！！！ (2021年8月28日 1時) (レス) id: 4c0d27bb14 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 初コメ失礼します。一人称は使い分ける方が良いと思います。ちょっとしたことですがこれだけで表現の幅がだいぶ違うと思うからです (2017年10月30日 19時) (レス) id: 5884d91fd1 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - メヌエットさん» コメントありがとうございます。面白いと感じて頂けて嬉しいです！ (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - nana☆さん» アンケート回答ありがとうございます！更新頑張りますね。 (2017年10月30日 1時) (レス) id: 409b7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin | 作成日時：2017年10月23日 8時
