29ROUND ページ30
赤「嫌かもしれないですけど…上に乗りますか？」
"上に乗りますか？"とは、おんぶのこと。
あ「大丈夫…。ありがとうね？」
今、人に優しくされたら…。
あ「ごめん…。…ッ。」
涙が出る。
赤「…。…大丈夫じゃないですよね。腕掴まってていいですよ。」
赤葦くんは、私の涙を"熱のせい"と
思ったと思う。
赤葦くんの腕に支えられながら歩く。
本当は、熱のせいじゃないけど。
熱のせいでボヤけた、スガと潔子の姿が
頭から離れない。
どうして、スガなんだろう…。
赤「Aさんは、小さいのに偉いですよね。」
あ「"小さい"って、バカにしてるの？」
顔をあげる。
あ「！」
顔をあげて見えたのは、
月に照らされている赤葦くんの真顔。
赤「初めて会ったときから印象は変わらないですよ。」
あ「それって、"小さい"ってこと？」
真顔で冗談を言ってるのか、
それとも冗談じゃなくて悪気なく"小さい"と
言ってるのか…。
赤「まぁ…それも。でも"偉い"ってところです。」
あ「！」
そういえば、初めて赤葦くんと話したのは
１回目の東京遠征の用具室だっけ？
気が付いたら涙が止まっている。
あのときは、潔子が囲まれてたから
一人で片付けしてたんだよね。
なんだか懐かしい。
赤「自分がきついこととか、嫌なことは関係なしに何にでも一生懸命で、人のことばっかり考えて。」
赤葦くんが、あまりにも褒めてくれるから
"小さい"こと否定しなかったことは、
どうでもよくなってきた。
あ「赤葦くんは、前も褒めてくれたよね？」
確か、木兎に話し遮られて、その上
トランプに誘われたとき。
赤「言ったじゃないですか。」
そう言うと赤葦くんは足を止める。
一歩先を歩いていた赤葦くんが振り返り、
私は腕を掴んだまま赤葦くんと向き合う。
赤「俺はAさんのこと見てるって。」
あ「！…、そうだったね。本当に見ててくれたんだ。」
赤葦くんは優しいな。
きっと誰にでも優しくて…、だから木兎とも
上手くやっていけてるのかも。
一人でも、私のこと"見ててくれる"ってだけで
頑張れる。
あ「ありがと…」
赤「俺じゃダメですか？」
あ「え？」
突然の言葉に、熱があることを忘れてしまう。
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ドッペルゲンガー - やった。両方見れるなんて最高。両方見たいってコメした人ナイスw (2016年4月4日 7時) (
レス) id: 4d0856fca1 (このIDを非表示/違反報告)
仁菜(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます(^O^) (2016年4月4日 6時) (レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 私も、スガさん落ちがいいなと思ってます！とても面白い作品でしね(’-’*)♪ (2016年4月4日 1時) (レス) id: 781ad7f50a (このIDを非表示/違反報告)
仁菜(プロフ) - うたさん» こちらこそありがとうございます！！！ (2016年4月4日 0時) (レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
仁菜(プロフ) - 真弓さん» 両方読んでくださるなんて(;-;)ありがとうございます！！ (2016年4月4日 0時) (レス) id: 8905b0bb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仁菜 | 作成日時：2016年3月17日 23時
