┗半生、好き嫌い ページ10
【半生】
現王と、音楽の才を持った母との間に生まれた。
母は大変明るく愛想の良い女性で、かつ質の良い歌声を持つ者として周囲から評判だった。一人息子であるフェリクスにもよく歌を歌ってきかせ、「音楽は人を楽しませる魔法なのよ」と口癖のように言っていたらしい。
しかし、彼女は一つ問題を抱えていた。
生まれつき病弱で、一度病気にかかると重症化しやすかったのである。
フェリクスが13歳の頃、やはりそれが災いし、病を拗らせ、彼女はあっけなく命を落としてしまった。一人残されたフェリクスは最愛の母を亡くし、酷く悲しんだ、……が、それと同時にとある決意をした。「音楽が人を楽しませる魔法ならば、自分も音楽をやろう」と。
幸いにも母の持つ音楽の才は息子にも宿っており、彼の創る音楽はだんだんと高い評価を受けるようになった。彼自身もそれを誇りに思っていたようだ。
ただ、彼が母から引き継いだのは音楽の才だけではなかった。「病弱」──、彼自身も生まれつき体が弱かったのである。彼の音楽がより精巧なものへと成長するにつれ、彼の体調はどんどん悪化していった。
原因不明の倦怠感を覚え、左目の視力の低下が始まったのは17歳の頃。医師に診てもらうも、治す手立てがないという。何ヶ月、何年と対処ができないまま年月が過ぎた頃には、彼の左目の視力は完全に無くなってしまった。
そうして、今度は右目の視力をも失いかけている。
【好き/得意】
音楽そのもの、自分の従者/フィドルや鍵盤を用いた演奏
【嫌い/苦手】
(特に無し)/争いごと、戦闘
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作者名:@(アットマーク) | 作成日時:2020年4月23日 16時