【WT】死の淵で躓く

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　よくよく考えれば、3か月でここまで仲が深まるものなんだなあ、なんて。
　きんときとNakamuも共感していて、Nakamuは”これが運命ってやつかあ〜”となんだか知らないロマンチックな妄想に浸っていた。

　二人と別れてからは頭を空っぽにして歩いたから特に何も覚えていないけど、自分の思っているより疲れていたみたいで、ベッドに勢いよく身を投げると寝てしまいそうで。


Sato☆彡Aちゃんお疲れ様〜
明日学校終わったら一緒に打ち上げいかない??


　いつの間にか届いてたメッセージを確認して、既読をつけてから少し考えて。


おつかれさま!明日はきりやんとBroooockと、もしかしたらNakamuもいると思うけど佐藤ちゃんがそれでもいいなら大丈夫だよ

　
　送信。
　そしてまくらの横に放りなげて、寝てしまう前にお風呂にだけははいらなくちゃと無理やり体を起こした。



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「一年生にとっては最初の学期ですから最初は不安もあったかと思いますが…」


　…それ、毎年言ってるんでしょ…。
　ぐっすり寝たはずだし、なんなら別に今眠いわけでもないけど、副校長先生の声がどこか遠くにあるみたい。

　少しだけ勝手に揺れる体を固定するゲームみたいなのを一人でしながら、時の流れをまつばかり。中学校の頃は話してる間座ってたのに。…いや、座らないわけじゃないけど。座るときと座らないときがあって、座らない日の絶望感は地味に嫌い。


　もっと面白い話だったら私だってきいてただろうに、型にはめたような内容を話されても正直覚えたての英語みたいにすぐ忘れちゃう。終業式なんだから思い出を振り返りたくなるのもわかるけど、ここは校長先生を見習ってもっと面白味のある話に転換してほしい。

　というより、なんで終業式に校長先生は出張するんだろう、という疑問も上がってくるわけだけど。


　二年生は〜、三年生は〜とかそれぞれ長々と振り返ったあと、やっと「気を付け、礼」の呪文がはなたれた。表彰は特になかったらしく、式はすぐに終わったのだった。

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