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縁側に座り、蚊取り線香をつけ、薄い雲が掛かった三日月をぼんやり眺めながら他愛の無い話や近況を語り合っていた。
「〜それで、コンビニにいったら明らかに未成年ってバレて、タバコを売ってもらえなくて…諦めて帰ったら「てめぇはおつかいもこなせねぇのか!」って相良の兄貴にすんごい怒鳴られて…」
一条「ははっ…まだ未成年だもんなぁ。もうじき誕生日でもまだ19だし、仕方ねぇよな。」
「酷いとき兄貴ほっぺたつねったりするんですよ…」
一条「それは…大変だな…。大丈夫か?赤くなったりはしてないか?」
そう言って一条はAの頬に手を添え顔を覗き込む。
その行動にAは驚き目を丸くした。
「な、なってないです…。」
一条「それなら良かった」
そう言って目を細める一条は、京極組の悪魔と言われている人物とは到底思えない程穏やかな顔をしている。
それ以外にもぽつりぽつりと日頃の話をしながら、一条はいよいよ本題に触れていく。
一条「時にA、お前は野島をどう思う?」
「どう、ですか…?うーん…」
少し考える素振りをするAを一条はじっと見つめる。その答えが出てくるまでの時間は異常に長く感じた。
「優しい人だなぁって思いますかね…」
一条「…それだけか?」
「えっ!?それ以外…なら、斧振り回して戦うから重そうな物で戦えてすごいなーって…」
一条「…そうか。」
一条はふぅと一つ息を吐き、緊張を悟られないようになんでもない顔でAを見つめる。
一条「じゃあ…俺は?」
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年7月11日 8時