私、気がついたら極道でした２ (ページ14)

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野島「おっ…と」

野島は慌ててそれをキャッチする。…キャッチしたのは良かったが、同じくキャッチしようとしたAの手ごとキャッチしてしまった。傍から見たら手を握っているような状態。

野島(…わ、皮膚が硬い…顔立ちとは合わないなぁ…相当頑張ってるんだろうなぁ…)

思わずAの手を見つめる。

「あっ…あの…野島さん？」

野島「ごごご！ごめん！！」

野島は慌ててAの手を離した。

「こっちこそ…ごめんね…？」

そして飴を受け取り直す。

野島「え、とじゃあまた明日」

「はい。また明日！」

野島は先に背を向けて歩き出したが、どうにも気になってAの後ろ姿をぼんやりと眺めた。
受け取った飴を握りしめ

野島(あの笑顔、隣で毎日見たい…)

源十郎の元へ行く時や相良に怒鳴られたとき、表情が暗くなるのをきちんと野島は見ていた。その顔を見るのが辛いという気持ちもあった。

その優しい笑顔を引き出したい、そう思ったとき、野島はAに対する思いが自分の想像以上に募っていたことに気がついた。