Episode1 敬愛 ページ5
そんな生活が2年ほど続き、いよいよAは中学生になった。外から車のエンジン音がほのかに聞こえてきた。
(ハッ!この音は…!)
「一条の兄貴だ!」
源十郎「え?」
「師範!このエンジンの音は一条の兄貴の車ですよ!」
源十郎「耳がいいな…」
勢いよく立ち上がり、Aは玄関に走った。
そして勢いよく戸を開ける
??「うおっ!?」
「へ…?」
??「んだこのガキ…」
「ど、どちら様ですか…?」
??「テメェが誰だ、ここの家主呼べ!」
そう言って男は突然Aの髪を掴んだ。
「痛いっ!!」
するとその男の肩を掴み、更に男を鋭く睨みつける一条の姿があった。初めて見る一条の剣幕に思わずAの肌は粟立つ。
一条「木村、お前何やってんの?その子は源十郎さんのお孫さんだ。手ぇ離せ」
木村「…ちっ」
木村と呼ばれた男はAから手を離すと乱暴に一条の腕を振り払った。
そして一条はぐいっと木村を押し退けAに視線が合うように屈み込み、打って変わった優しい表情で話しかける。
一条「お邪魔します…Aちゃん。怖い思いさせてごめんね。」
「っ…いえ…」
一条「今日入学式だったんだってね。おめでとう。制服似合ってるじゃん」
源十郎「何事だ!何か大きな声が…ん?見ねぇ顔だが…」
木村「出てくんのがおせぇんだよじじい!」
木村がそう叫んだ途端、源十郎と一条の顔がとてつもなく険しくなる。
一条「おい、木村…」
源十郎「…なるほどな。親分が性根を叩き直して欲しい若造ってのはお前だな」
木村「あぁ!?」
源十郎「上がれ。いい機会だ、一条くん、A、見学しておけ」
一条「はい」
「はい」
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ひなえ(プロフ) - 黄昏さん» 読んでいただき、ありがとうございます!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2022年7月6日 14時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - 初めまして、「私、気が付いたら極道でした」を読ませて頂きました。とても、面白くて続編を楽しみにお待ちしております。 (2022年7月6日 3時) (レス) @page26 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
みたぞの(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ!!続編作ってもフラグのチェックが入ってしまいます!!確認して外して下さいね!! (2022年6月29日 22時) (レス) id: 5dcad8042f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年6月29日 18時