２ ページ10
雛乃がそう発したことにより、雛乃とオリオンを除くその場の人間が全員安堵の息をついた。
「それと、雷電さんともなにもありませんよ」
雷電「…」
祇園「え？そうなの？そりゃあよかった」
「え？」
そう言うとオリオンは定食を持って雛乃の隣に座り、雛乃は雷電とオリオンに挟まれる形になってしまった。
その瞬間雷電が無言のまま自分越しにオリオンをみているのか、はたまた自分を見ているのかわからない視線を向けた。
(何ですかこの時間…圧迫感がすごいのですが…)
そして、オリオンに比べれば雷電は細く見えるが、あくまでも比べればの話だ。
「…では、私は仕事にも…」
ガタイのいい男二人の間に挟まれた雛乃はまるでサイドに巨大な壁でもあるかのようで、気まずさを覚えたので離れようと試みたが…
祇園「釣れねえ事言うなよ。話せるの久しぶりなんだし、ちょっとはゆっくりしてけよ」
と、オリオンに肩を掴まれ成すすべなく椅子に座らされてしまった。
雷電「…」
(雷電さんは何を考えてらっしゃるのか分かりませんし…なんですかこれ？新手の拷問でしょうか？)
祇園「しっかし…雛乃、お前さん
オリオンがチラリと茶化すように横目で２人を見やりながら言い放つ。
「…いやですね、何年前の話をなさってるんですか」
雷電(そんなに何年も前から俺はここにいない…)
そして２人は昔話に花を咲かせ始めた。
すっかり蚊帳の外となってしまった雷電は、雛乃がどういう経緯で医師となったのか、エルペタスの雇われになった経緯…等など何も知らない。
少し聞けば任務でロンドンに出張していたオリオンが孤児だった雛乃を拾ってきたという。
雷電(俺の知らないことをこの方はより沢山知っている…)
雷電の胸にモヤモヤとしたものが込み上げる。
そして拾った上に医師としての才能を見出し、闇医者の下で医学を学べるよう意見してくれたのもオリオンだ。
絶対的存在といわれるオリオンが医者にかかることは少なかったので滅多に会う機会はなかったが、自分が直に連れてきた事もあって色々気にかけていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなえ(プロフ) - みぃさん» はじめまして！ありがとうございます！ＢはＡ、Ｃとは違い報われなかった片思いを引きずっているちょっと影がある女性として書いていますので、喜んで頂けたのなら幸いです😆 (12月30日 6時) (
レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - の、野田の兄貴が...めっちゃいい！ なんかちょっと切なくてめっちゃ好きです〜！！ (12月30日 3時) (レス) @page29 id: 8a88aac5da (このIDを非表示/違反報告)
ひなえ(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます！私の一番の推しは一条の兄貴です😊産後にバグ大を知ったキッカケでもありましたので☺️ (12月14日 21時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 新作おめでとうございます！以前から気になっていたのですがひなえ様の推しキャラって誰なんでしょうか？😌 (12月14日 21時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなえ | 作成日時：2023年11月28日 1時
