〜朝日〜 相良夢/切/ ページ17
⚠２人がお付き合いする前、全体的に暗い、改心前の相良さん注意です！
カーテンの隙間からの日差しが眩しくて、つい早めに起きてしまった。
もう４月だというのに肌寒い、時計を見ると７時半、一般的な社会人や学生が忙しなく学校や仕事へ向かう時間だ。
だが、渡世で生きる者には全然関係のない時間だ。ふと室内を見るとシャツのボタンをとめている相良が目に入った。
「…帰るの？」
相良「…おう。じゃあまた、事務所でな」
「うん」
殆ど振り向くことなく去っていく相良が閉めていったドアをしばらく呆然と見ていた。
少しするとシャワーを浴びてテーブルの上でそのままになった空き缶やタバコの吸殻を片付けて、汚れたシーツを取り替える。
「ばっかみたいだな、私…」
そう呟いてテーブルに置かれていた相良が忘れていったタバコに火をつける。
彼の吸っているタバコの匂いで相良の顔を思い浮かべた。するといつの間にか涙がボロボロと溢れてくる。とめようとしてもとまらず、ついにはタバコの火を消して、声を押し殺してひたすら泣き続ける。
すると、いつの間にか寝てしまっていてアラームが出勤時間を知らせる。
冷蔵庫から適当なゼリー飲料を取り出して出勤前に飲んでから出掛けた。
「おはよう久我くん」
久我「Aの姉貴、おはようございます」
他愛のない話をしながら歩いていると相良の声が耳に入る。
相良「ボケ老人の家に必要のねぇ工事をして儲けた金だ」
その声に久我が反応する。
久我「すいません、姉貴先に行っててください」
「…わかった」
とまったはずの涙がこみ上げてくるのを隠すために足早に別室のソファに腰掛けた。
一条「入るぞ。」
「あぁ、使う？この部屋」
一条「いや、そんなすぐじゃないからいい、虎徹に用があってな」
「久我くんにご執心だね、妬けちゃうわ」
作り笑いを浮かべるAの表情を見て一条の顔が曇る。
一条「…また、か？」
「また？…なんのことかな。」
一条「…自分を壊すなよ。あと、虎徹ならきっとやってくれる。でもそんなに辛けりゃ…」
そう言いかけたとき、久我が部屋にやってきた。
久我「すいません、何かお話し中でした？」
「大丈夫だよ、じゃあ私自分のシノギあるから行くね」
久我「はい」
いつか分かり合える日を夢に見て、その日もシノギに取り掛かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう - 一条さんのプロポーズに惚れました！！！！ (2022年11月1日 18時) (
レス) @page33 id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 一条さぁぁん！！プロポーズが素敵ですぅぅ！！ (2022年8月6日 6時) (レス) @page33 id: e9f5fada24 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 一人一人の話が長くて好きです！更新待ってます( ^ω^) (2022年7月13日 15時) (レス) @page7 id: 52318af24f (このIDを非表示/違反報告)
夢女子うさこ - 嗚呼嬉しいです相良さんいないの多かったので嬉しいです！ (2022年5月29日 23時) (レス) id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなえ | 作成日時：2022年5月27日 13時
