MTCといろいろしたい！−群青−

92.リク：MTCに拾われる ページ34

中王区から逃げ出した貴女がヨコハマを彷徨っていると、ある酒場の近くで誰かにぶつかり、バランスを崩して道に倒れ込んでしまう。

「失礼、彼が――！？」

手を差し伸べてきた銃兎が、貴女の姿を見て目を見開く。彼の両隣にいた二人も、動揺したように立ち止まる。

「テメェ…何で俺様にぶつかってきやがった？ンな鎖なんか幾つもくっつけやがって」

「全部で五つか。見たところ、小官たちの力を合わせても外れないタイプのもののようだな」

「…理鶯の言うとおり、素手で外すのは無理そうですね。貴女は何故このような状態に？」

枷を冷静に分析した彼らに事情を伝えると、三人とも神妙な面持ちになる。

「このままここにいたら危険ですね。警察として見過ごすわけにはいきませんし、取り敢えず貴女にぶつかった罰としてそこの彼に面倒を見させますか」

「あぁ！？俺様がガキの相手なんざするわけねぇだろ。そういうのはテメェらの方が得意だろうが」

「左馬刻、これは得意不得意の問題ではなく、誠意の問題だ。小官も助力する、彼女を匿おう」

「そうだ。恨むなら彼女にぶつかった過去の貴方を恨め」

「…チッ、クソ共が」

「…そういう訳で、私達が貴女を守るのでご安心を。まあ、もちろんそれ相応の働きをしなければ問答無用で中王区に送りますので」

銃兎が含みのある笑みを浮かべながら貴女を立ち上がらせ、理鶯のキャンプサイトに連れて行く。



その後、酒を飲みながら話をするにつれ段々全員と打ち解けていく。拘束は鎖だけを切断してくれる。

そして翌朝には左馬刻の事務所に連行される。彼の部屋についた同時に大量の書類を貴方の眼前に詰み、

「俺様の代わりにこれに全部ハンコ押せ」と言う。
彼から任せられるのは大体書類整理。終えると「へえ…中々使える奴じゃねえか」と褒めてくれる。


銃兎には特に何も頼まれないが、料理を作れと命令されることが多い。美味しくてもそうでもなくとも、
「もっと精進してください。でないとその拘束外しませんよ」と脅される。


理鶯は自分の傍に貴女を置いておくだけ。料理の味見とかをたまに頼まれる。全部ゲテモノだが抵抗すれば悲しそうな顔をされるので断れない。素直に食べて感想を述べれば、「参考になった。感謝する」と言ってくれる。



皆、働けば働いた分だけ貴女のことを可愛がってくれる。中王区よりは遥かにホワイトな皆さん。


リクエストありがとうございました！


　

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