91.・【ど】 ページ31
「明日の正午より、ヒプノシスマイクの実験を海剣Aに行う映像を全国に放送する。把握しておけ」
「ほう、あの嬢ちゃんにねえ」
無花果様にそう告げられた零は、真っ向からそれを止めるよう言えば反抗と捉えられ関係が悪化すると思い、それ以外の反応をあまりしない。
「ほどほどにしねえと、国民からの批判の声が大きくなっちまうんじゃねえか?」
「構わん。報告は以上だ。お前がこれ以上首を突っ込むようなことではない。さっさと失せろ」
「おお、怖い怖い。んじゃ、俺はさっさと失せますよっと」
「(…ま、俺が一枚噛んでるってのがバレねえように簓と盧笙に助けに行かせりゃいいか)」
そう考えた彼は、中王区の外でメンバーに電話をかける。
「明日、今からメールで送る場所にお前らで来てくんねえか」
『は?何や急に!…俺も盧笙も休みやからかまへんけど。理由は?』
「まあ騙されたと思って頼まれてくれや。昼までに中王区に着いとけよ」
『はぁ…しゃあないな、盧笙にも伝えるわ』
「おう、ありがとな」
翌日、中王区に着いた簓と盧笙は、正午になると同時に大きなビジョンに流される映像を見て衝撃を受ける。
「盧笙!あれ見てみ!」
「な、A!なんでヒプノシスマイクの実験なんて受け取るんや!?
零との約束とAの救助、どっちかを捨てることなんて…」
「…零との約束の場所に行くで」
「Aを捨てる気なんか!?」
「そうやない!!けど、零が示してきた場所と、この事態に何も関係がないとは思えへん。きっとこの場所にAを救うヒントとかがあるんや」
「…それは、賭けてもええんか?」
「賭けるもんやない、信じるもんや。はよ行くで!」
「あ、ああ」
「はぁ、はぁ…着いた。…って、A!」
「ほんまにおったんか…!」
「お、お前たちは、オオサカ代表!?」
零に指示された場所に行くと、傷を負って動けなくなった貴女と言の葉党の党員たちがおり彼らは驚くが、それよりも貴女を助けるべく各々のマイクを構える。
「Aが助けを求める声が聞こえたんや!その子は解放してもらうで!」
「…自信ないとか言ってられへんな。ただこの怒りをぶつけるだけや」
そして党員を跡形もなく片付けると貴女を病院に連れて行く。
零には何も追及せず、ただ貴女が一命を取り留めたことに喜ぶ。
その後ふらりと見舞いに来た零に「事前に助けられなくて悪かった」という一言を耳打ちされる。
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ε戎貝毎水(プロフ) - ももちゃろーさん» ももちゃろーさんの素敵なお話を読めるならいくらでも待ちますよ!それと、逆ハーネタの続きはできれば読みたいです、いくらでも待ちまーす! (2020年5月28日 22時) (レス) id: eba48827f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももちゃろー(プロフ) - ε戎貝毎水さん» ありがとうございます!長い間お待たせしてしまい、本当に申し訳ありません!!楽しんでいただけたようで嬉しいです、リクエストありがとうございました! (2020年5月28日 20時) (レス) id: 0e4e83fb52 (このIDを非表示/違反報告)
ε戎貝毎水(プロフ) - うわー!たくさんのリクエスト(しかもマニアックなのもアリ)を受けて下さりありがとうございました!特に取り合いされるお話最高でした!本当にありがとうございます!! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 638cca7d0a (このIDを非表示/違反報告)
ももちゃろー(プロフ) - ネイトさん» わぁあありがとうございます!!残されたお話はあと僅かですが、是非最後までお楽しみくだされば幸いです!リクエスト本当にありがとうございました! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 0e4e83fb52 (このIDを非表示/違反報告)
ネイト - 今回もお忙しい時にリクエスト応えていただき本当にありがとうございます!またまた最高でした!特に「貴殿を虐めていた奴らの肉だ」の所大好きです!(笑)、この作品のお陰でいつも元気をもらっています!これからもコソッと応援していますね! (2020年5月23日 4時) (レス) id: 67fc31259c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももちゃろー | 作成日時:2020年3月13日 21時