MTCといろいろしたい！−群青−

90.・【Crazy M】 ページ26

「最近魘されているようだが、何かあったのか」


感情の読み取りづらい彼は、やっぱりいつでも唐突に爆弾を投下する。

魘されているのは気付いてるけど、貴女が独りでいるとき中王区にいた頃のような状態になっていることには気がついていないのでそちらについてはノータッチ。


「小官に出来ることがあるのであれば、遠慮なく言ってくれ。



たとえ原因が小官にあるとしてもな」


と促される。鋭い。

その言葉を言う彼の姿は、捨てられた子犬のような健気なオーラを放っているので、誤魔化そうにも罪悪感が膨らむので素直に言う他ない。


彼の前では平生を装っているが、一人ぼっちになると中王区にいた頃のような状態になってしまう。


彼に真実を伝えると、きゅっと眉根を寄せて頭を下げる。


「やはり小官の行動に非があったのか。

あれから何も異状が確認出来ないからと安心しきっていたのが愚かだった。



この程度では伝えきれないが、本当に済まない。

小官の未熟さが、貴殿を知らないうちに傷つけてしまった」


真面目な彼は誠意を尽くして貴女に謝罪をする。
わずかに震えているその声に【大丈夫だよ】と言えば、ゆっくり頭を上げる。


その後貴女が悪夢に魘されないよう、様々な策を貴女と一緒に講じては実践する。

作戦決行中もなるべく貴女を一人にしないよう努める。
※どんな作戦を行っているのかはご想像にお任せします



そしていよいよ眠るというときに、彼はまたも爆弾発言をする。

「今日はよく眠れるように、小官が貴殿を抱き締めて夜を明かそう」


言うが早いが彼は貴女を寝袋に引き寄せ、安心できるように身体を密着させる。

彼の温かさに瞼が落ちてきた貴女の額にそっと唇を落とし、頭を撫でて囁く。



「おやすみ、A。貴殿の夢の中に現れるのが、中王区の輩ではなく、小官であることを願っている」



リクエストありがとうございました！


　

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