5話 ページ5
すると私以外の3人は目を見合わせた｡そして､ヒソヒソと小声で話し始めた。
むむ､何を話しているのか聞こえない…。
しばらくすると､こそこそ話が終わり､トントンは私の方に再度向き直った。
ト「と､とりあえずちょっと待っててくれへん？
すぐ戻って来る」
そう言って､トントン､ゾム､鬱先生は牢屋を出ていった。
どうしたのかな…まさか､拷問とか…？？
考えただけで涙が溢れ出た。
1人になった途端に､底知れぬ恐怖と不安に押しつぶされそうになってしまった。
自分はもう帰ることが出来ないかもしれない。
外へ出られないかもしれない。
…殺されるのかもしれない。
牢屋で1人､ただただ涙を流し震えるしか無かった。
・
ト「すまん､待たせた…って､えっ！？
なんでそんな号泣してんねん」
しばらくして､牢屋へトントンだけが戻ってきた。
私が泣いているのを見て心底びっくりしたようだ。
私はトントンを見た瞬間､更に涙がこぼれ落ちていった。
『…………ど､どうか命だけはっ…！
い､命だけは､勘弁してくださいぃぃい！！』
もうダメだ。
頭がショート寸前でパニック状態に。
ト「えっ！誰も殺すなんて言うてへんやろ！」
トントンのそんな言葉も耳に入らず､私は泣きじゃくってしまった。
ト「え､ちょっ！落ち着こ！？……お､落ち着こ？」
『うぅっ…』
ト「あんな？お前に会いたいって奴が
おんねん｡やから､今からちょっと
来てくれへんかな？」
私に会いたい？
これ行ったら殺されるんじゃ…？？
ト「あっ､安心せえよ｡殺さへんから」
『…………わ､わかりました』
ト「ん､じゃあ付いて来てな」
私は牢屋から出してもらい､部屋をあとにした。
そして､トントンの後ろを､おぼつかない足取りで付いて行った。
・
沈黙で付いて歩くこと､約3分。
ひたすら階段を登って行き､ようやく着いたのは扉の前。
それも､普通の扉より一回り大きい扉のようだ。
途中､体力の限界で少しペースを落として頂くという､なんとも申し訳ない事をしてしまった。
そして何より今､息が上がってしまっているのが恥ずかしくて仕方がない。
隣では､隠しているつもりなのだろうが､笑っているのがバレバレなトントンがいて、恥ずかしさが倍増だ。
くそぅ、笑うなら笑え…！
こういうのが1番恥ずかしい！
深くゆっくり深呼吸をして､息を整えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メルカ(プロフ) - ちょっと物騒だけど可愛い主人公だ。そして寝起きヤバイｗ更新楽しみにしてます。 (2017年7月5日 21時) (携帯から) (
レス) id: 2e758c4e7a (このIDを非表示/違反報告)
タオル(プロフ) - チョコケーキさん» コメントありがとうございました！そう思ってくださると嬉しいです…！！更新頑張ります！ (2017年4月8日 10時) (レス) id: 2fd55dc8e0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコケーキ - 主人公ちゃんが可愛すぎる(*´▽｀*)更新楽しみに待ってます(｀・ω・´)頑張ってください！ (2017年4月7日 18時) (レス) id: ff397df60b (このIDを非表示/違反報告)
タオル(プロフ) - リナさん» コメントありがとうございました！わぁ嬉しいです…！！更新頑張ります！ (2017年3月28日 11時) (レス) id: 2fd55dc8e0 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - こういう話好きです。更新ふぁいとです(笑)応援してます！ (2017年3月28日 10時) (レス) id: d0614b1771 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タオル | 作成日時：2017年3月25日 9時
