【3年A組】キミのひみつ3

違和感 ページ38

兵頭「景山は！フェイク動画の犯人に会いにいくって言ってたんだよな？なら、フェイク動画の犯人も先生なのかな？」







結城「それは違うんじゃない？武智もそこは認めてたじゃん」






兵頭くんの問いには結城さんが答えた。







西崎「……この動画をマインドボイスにアップしよう」






そう言ったのは、西崎くん。






堀部「なんで…？」






西崎「これは犯罪だ。きちんと公表すべ「俺は反対だ！！」






西崎くんの言葉を遮ったのは里見くん。






里見くんに続いて、秋庭さんと花岡さんが「私も」と西崎くんに反対した。






石倉「親衛隊は黙ってろ！ちゃんと考えろ！あいつは、人殺しかもしんねぇだぞ！？」





唯月「ブッキーは違う！」






石倉くんの言葉にいち早く、唯月が否定する。






石倉「じゃああの動画は何だよ！？」






唯月「人を殺すような人間に、あんな説教ができるかよ」






石倉「そんなのお前の史観に「史観だったらなんだよ言ってみろ！！」






唯月と石倉くんの睨み合いが始まり、私は慌てて唯月を宥める。






掴みかかりそうな勢いの石倉くんは中尾くんによって止められた。






西崎「見てくれ。今、SNSでは武智は完全に殺人鬼扱いだ。まるで、死ねと言わんばかりの誹謗中傷を浴びてる。これでも公表しないって言うのか？なぁ？」





──影山さんの時と同じ──






西崎くんは、遠回しにそう言いたいのだろう。







そのことを察したクラスメイトたちは黙り込んだ。






私はふと、あることを思い出して、西崎くんのところにあるパソコンを見に行った。






開いてあった動画を再生する。






終わったらもう一度。






終わったらもう一度。






初めて、この動画を見た時に感じていた違和感の正体を突き止めるために。






何度も何度も繰り返し再生する。







そして、私は気付いた。






とても重要なことに。







堀部「……ネットに晒されたらその人の人生が一変するって西崎！！それ西崎が1番わかってんじゃないの！？」






西崎「分かってるよ！！……分かってるから武智を救うべきだっつてんだよ」






西崎くんの言っていることはわかる。






でも、そんなに簡単に決められることではない。

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