【3年A組】キミのひみつ3

動画の嘘 ページ37

隼人「やっぱ、お前って変なやつだよな」







「え、変？？」







隼人「あぁ、いい意味でな」







楽しそうに笑いながら教室に戻る隼人くんも十分変だよ、と心の中で呟いてから、隼人くんを追って私も教室に戻った。







とほぼ同時に、石倉くんが勢いよく教室に入ってきた。







石倉「おい！！あの動画の犯人武智じゃねぇ！」








慌てた様子の石倉くんと、石倉くんを止めようとする堀部さんと西崎くん。








石倉「だから！あの動画の犯人、武智じゃねぇんだよ！！」







隼人「どういうことだよ」







石倉「あれは武智の顔を貼りつけたフェイク動画だったんだよ！！」






石倉くんの言葉に戸惑いの表情を浮かべる生徒たち。







瀬尾「武智じゃねぇって、…だったらあの帽子を被った男は誰だったんだよ」







石倉「それは…「ごめん、まだそれは確認してないから」







石倉くんを手で制止したのは堀部さん。







隼人「いいから見せろよ、早くしろって！」






さっきの優しい隼人くんはどこへいったのだろう、と一瞬呑気なことを考えてから、堀部さんに詰め寄る隼人くんを宥める。







けれど、みんなが堀部さんに「早くしろ」と責め立てた。







堀部さんは少し俯いたあと、決心したようにパソコンを開いた。







そこに映し出された画面に、驚いて声も出なかった。







宇佐美「なんでブッキーが映ってんの…？」







宇佐美さんが呟いたとき、後ろから先生が「あぁ、遅かったか…」と呟く声がした。







私達が振り返ると、先生は近くの椅子を蹴った。






石倉「おい、…これどういうことだよ」







涼音「この鏡に映ってるの…ブッキーだよね？」







みんなが次々に問いかけるものの先生は答えない。






先生「…お前達が決めろ。動画をどうするべきか、俺をどうしたいか、お前達が決めろ」






先生はそれだけ言うと、教室を出ていった。








・






何もしなくても、時間は刻一刻と過ぎていく。







宇佐美「ねぇ、さくらは？」






河合「トイレじゃない？それよりみんな、どうする？」






河合さんの質問に花岡さんが「どうもこうもないでしょ！私達裏切られたんだよ！？」と返す。

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