【3年A組】キミのひみつ3

決心 ページ35

石倉side







「はい、また私の勝ち〜！」







そう言った橘の手に、もうカードは残っていない。







コイツ、強すぎないか？？







「いぇーい！全勝！！」







最後まで橘の圧勝で、ゲームは幕を閉じた。







「ねぇ、隼人くん、ちょっといい？」







橘が甲斐を誘って、ふたりが席を外すと諏訪と小宮山はスマホをいじり始める。







中尾と水越は「次こそ、決着つけよ！」って言ってもう一度愛してるゲームをやっている。







須永は里見となにやら話し始めたので、俺は、さて、どうするか…と悩む。







"石倉くん、堀部さんをデートに誘ったら？"







昼飯を食う前に橘が言っていたこの言葉が、ゲームをやっている間も気がかりだった。







俺の中で、"デート"っていうのは付き合い始めた奴らがすること、という概念があった。







しかし、中尾と須永は付き合っていなくてもデートに誘ったと言う。








もし、俺が、堀部を誘ったら…








いろいろな想像を膨らませ、にやけそうになるのを我慢する。









……よし、誘ってみるか！







俺は決心して堀部のもとに向かった。









・









・







Aside









私は隼人くんを廊下に呼び出した。








理由は、ふたりで写真を撮りたかったから。







楽しそうに写真を撮っていた宇佐美さんたちを見たら、普段は写りたいとは思わない私だけど隼人くんとふたりなら撮りたい、って思った。








が、しかし…








いざ、写真をお願いしようとなると、緊張してなかなか声が出ない。








隼人「A？どうした？」








そんな私を見て、隼人くんは少し心配そうに声をかけた。








「あ、いや、あのね！写真…！一緒に、…撮りたいな…ってぉも…って……」








急に張り上げたと思ったら、徐々にボリュームダウンしていく私の声。








その様子を見た隼人くんは、ほっとしたように笑って「いいよ」って言ってくれた。

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