29話 ページ32
流石に少し呆れ始めてきた頃辻先輩が犬飼パイセンの説得へと参加した。ありがたい!
「ん〜、辻ちゃんが言うなら仕方ないね。じゃ、また今度でいいや。ばいばい」
「切り替えが早い…」
辻先輩のおかげでようやく離れた犬飼パイセン。パイセン流石にもうこのグダグダには飽きたらしく、パッと手を離すとその手をひらひらさせて別れを告げる。
「辻先輩、ありがとうございます。助かりました」
「えっ!…あっ、どど、ど、どういたし、まして……」
お礼を言うが顔を真っ赤にする辻先輩。なるほど…これはいじりがいがありそうだ。
辻先輩にも別れを告げ、急いで三輪先輩のいる方へと向かう。三輪先輩は私を探すのを諦め、もう他の場所へ移ろうとしていた。
急いだら間に合いそうだな。
久しぶりに生身で会話できる、とワクワクさせながら走っていると、突然誰かに首根っこを掴まれた。
え、ちょっと嘘でしょ…
「よぉ〜つるま、いい所に」
「……か、影浦先輩…?」
「ちょっと付き合えよ」
「は、はい…」
ダメだ。逃げられない。さっきは辻先輩がいたからなんとかいけたけど、今回ばかりは助っ人がいたとしてもダメなやつ。だって見てよほら
「あ、つるま先輩が影浦先輩に捕まってる!」
「あ、ホントだ、あれはもう逃げられないな」
「おいおい、見てみろよあのつるまの顔。多分三輪あたりに会いに行きたかったんだろうな、さっきそこいたし」
「カゲ〜女の子に強引にしたらダメだよ〜?」
「…つるま、すげー顔でこっち見てんぞ」
上から緑川、鋼さん、当真さん、ゾエさん、荒船さん。
見捨てられた。酷い。
目線で助けろと送るが5人は見てるだけ。助けてよ。
「おら、ブース入れよ。どんだけ強くなったか見せてみやがれ」
「うええん」
そんな事を考えていると首根っこを掴まれたまま引きずられる。もう断れない。
「あ、Aちゃんが影浦先輩に連れてかれてる。あははっ」
「Aも大変やな」
「なんやモテモテやんおつるちゃん、俺も混ざってこよ」
「いや今から防衛任務でしょーが」
「あははは!」
※遊真を緑川に変更しました
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あすか - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください! (2022年11月30日 20時) (レス) id: 1e4bb1c648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーた | 作成日時:2021年12月12日 15時