15話 ページ18
「いやー、疲れたー」
ぐぐっと大きく背延びをする。
まあ何回も言うけどトリオン体だから疲れてはない。いや、精神的にね。
あの後の片付けもひとまず落ち着き、もう安全だ……とはいかず、門は普通に開くので、ボーダーは忙しい。
大規模侵攻から1週間くらい。今日は久しぶりに一人で任務。誰もいないので、呑気に会話もせず、静かなままトリオン兵を駆除する。
いつもより少しだけトリオン兵の数が少なかったのですぐに終わりましたとさ。
そういえば、三雲くん大丈夫かな。結構怪我してたらしいけど。
すごく失礼だが、今更思い出した三雲くん。
小南先輩にちらっと聞いた話によると大怪我したらしい。
流石に心配だし、明日はウチの中学は設立記念日で休みだから、玉狛に行ってみようかな。
そう思い立ち、上層部に任務結果を報告し、家に向かった。
「玉狛ってこっちだったかな…」
翌日、午前中に小南先輩に連絡をとり、承諾を貰ったので、昼食を早めに済ませ、玉狛へとさっさと足を運んだ。皆久しぶりなので早く会いたい気持ちを抑えきれず、軽い足取りで玉狛へ向かっていたが……
普通に迷った。
いや、前に玉狛へ行ったのはかなり前で、道がよくわからなかったんだよ。
うろ覚えで勘を頼りに歩いていると、立方体のボーダーというロゴが入った建物、玉狛支部を見つけた。よかった…。
無事に見つけられたのはいいものの、予定よりかなり時間がかかってしまい、約束の時間なんてとうの前に越していた。
「こんにちは〜」
多分怒られるけど、もう開き直って堂々と行こうと思い、玉狛のドアをガチャりと普通に開ける。わあ〜久しぶり〜!
すると、向こうの部屋からドタドタと慌ただしい足音が聞こえてきた。何かと思い、身構えていると
「ちょっとお〜!?遅かったじゃない!!A!一体どこで何してたのよ!」
足音の正体は小南先輩。随分とお怒りな様子。
「いや〜、ごめんなさい。道に迷っちゃった」
「はあ〜?あんた、この歳になって迷子って…」
呆れた様子で言葉を投げる小南先輩。
しばらくぎゃあぎゃあと騒いでいたが、次第に大人しくなり、やっとの事で部屋へと案内してもらえた。
「よっ、いらっしゃい。つるまちゃん」
「あ、迅さんこんにちは。お邪魔してます」
部屋に入り、ソファに座って陽太郎と話していると、迅さんも入室。軽く会釈をする。
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あすか - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください! (2022年11月30日 20時) (レス) id: 1e4bb1c648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーた | 作成日時:2021年12月12日 15時