伊弉冉一二三 / 好きだから ページ10
沈黙。
テレビの音だけが部屋の中を埋め尽くす。
此処は、一二三君の家。
場所はリビングのソファ………だけど。
此処に来てから、いや、呼ばれてから、
『あ、上がって』『お邪魔します』『そ、其処座って、ぃ、良いよ』『ありがとう』
のみ。
いやね?彼が女性恐怖症って言うのは重々承知な訳だよ。
でも、独歩君と仲の良かった私が、寂雷先生からの『一二三君の女性恐怖症を和らげる手伝い』という名で、
一二三君と関わりを持った。
何時もなら、あまり負担をかけないようにと、事前に曜日を決めているのでその日に彼の家で、話をしたりするのだが、
今日は違った。
一応、3人掛けのソファの端同士の距離なら普通に会話出来る距離まで、詰められる様になった一二三君は、
ソファの端に座って、先刻から口を開けたり閉じたり。何かを言おうとしてて。
焦らせちゃ駄目かな?と思って何も言わずに居たら、もう二時間も経っていた。
「……ッ と……ぁ、あのッ……」
震えた、弱々しい声を出す一二三君。彼の声を逃さぬようにテレビの音量を下げる。
「は、はい」
彼の緊張がひしひしと伝わって来るから、此方も緊張する。
「……そ、の、突然で、わ、悪いと思ってる…んだけど、き、今日呼んだ、理由……ね?」
そうだ。聞き忘れてたけれど、それが聞きたい。身体を少しだけ一二三君に向けて、「うん」と返す。
「ッ……あ、のさ…いっつも俺っちの、女性恐怖症を、治そうと……してくれてるじゃん……?それが、すっごい、嬉しくて……」
「う、うん…」
「俺っちが、触れられた時に、変な声、出しても…『大丈夫だよ』って…笑顔を、見せてくれる……好き、です……」
語尾がだんだん小さくなって聞き取りづらかったけれど、きちんと彼の言葉が耳に入ってきた私の顔は、
一気に熱が集まった。
「あ…えっと……」
しどろもどろしていると、
「俺っちのこと、今、そういう感情を…持ってなくても……ちゃんと、男として、見て欲しい…です……」
なんて、顔を赤くしながら言うから。
私は頷く以外の返答が出来なかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーナンバー
8
今日のラッキーカラー!
入間銃兎「俺の色に染まりたい?まだだな、まだ、早い」
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おやたぬき(プロフ) - Nanaさん» 嬉しいお言葉有り難うございます!プロポーズする独歩君ですね!!了解しました!!!少しお待ちください!!!!リクエスト有り難う御座います!!!!! (2018年8月29日 18時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - どれも素敵なお話でした!良ければプロポーズする独歩くんのお話 よみたいです!!! (2018年8月29日 17時) (レス) id: 47b6b0fdaf (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 公序良俗さん» 了解しました!!暫しお待ち下さい!リクエスト、有難う御座いました! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
公序良俗 - すいません。リクエストで寂雷さんが嫉妬するお話お願い出来ますか? (2018年8月28日 16時) (レス) id: 75b87ef95f (このIDを非表示/違反報告)
たぬきのこ(プロフ) - 朧流水斬さん» ひぇ!!そんな嬉しいお言葉貰ってはにやけが止まりません((独歩くんのヤンデレですね…!少し御待ち下さい!!有難う御座います!!! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年8月17日 10時