入間銃兎 / 可愛い欲望 ページ47
「今、会いたい……です…」
忙しい銃兎さんの仕事中に電話をかけて。優しく語りかけてくれる銃兎さんに会いたいという欲が抑えきれず、口に出してしまう。
告げてからずっと無言の相手がどんな気持ちで、どんな顔をしているのか分からないけれど。
今更のように後悔をしている私には関係のないことで。
「あ…あのっ、ごめんなさ」
『今何処に居る?』
「え……」
被せるような彼の声に動揺する。
『だから、何処に居るんだって』
もう一度言う彼の声は、怒っているのか嬉しいのか電話越しでは分かりづらい様子で。
「あ……家に、居ます」
そう告げれば、少し考えるように唸りながら、「少し待っていろ」なんて言って通話が切れる。
暫くすると、インターホンの軽快な音と共に、モニターに映し出される、銃兎さん。
「い、今開けますっ」
パタパタと走りながら玄関に向かい、鍵を開けると、勢いよく扉が開いて前のめりに倒れ込む。
「ひゃっ!」
「っと、大丈夫ですか?」
ふわりと優しく抱き止めてくれる銃兎さんに頷く。
「休憩を入れて来ました。少しの時間しかこうしていられないですけど…」
そう言って部屋に入り、玄関先で私を強く抱き締めて首筋に顔を埋める。寂しそうな声音で低く囁くから、耳が弱い私は肩を揺らしてしまう。
「…そういう可愛い反応をするな、抑えきれなくなるだろ…ッ」
少し痛いぐらいに抱き締めてくれる銃兎さんの声は熱を帯びていて、余裕がなさそうな声。
そのまま身を委ねてしまいたい感覚に襲われるけれども、一応彼は仕事中。
何分経っただろう。静かにゆっくりと背中から退かされる手の感触。
「そろそろ時間だ……また、帰って来たら、な」
そう言って私に背を向け扉を開ける。
「は、い……」
銃兎さんの背中に何か言う訳でもなくそう呟くと、彼は「忘れ物をしました」と言い後ろを向いた。
「なんですか、ん」
「んっ……ふぅ、」
何だろうと思えば、顎を長い指で掬われ、深い口づけをされる。突然のキスに吃驚して、耳の奥に響く水音に顔を火照らせる。
「んぅッ……はぁっ、」
「ッちゅ…これで我慢できるでしょう?行ってきますね」
唇を離し、私たちの間を結んでいた銀色の糸を色っぽい舌で舐めとり、微笑みながらそう告げる銃兎さんに、
「は……い」
なんて、顔を赤くしたまま頷く。
帰ってきたとき、どうなるのかなんて、明日の私しか知らない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーナンバー
8
今日のラッキーカラー!
入間銃兎「俺の色に染まりたい?まだだな、まだ、早い」
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おやたぬき(プロフ) - Nanaさん» 嬉しいお言葉有り難うございます!プロポーズする独歩君ですね!!了解しました!!!少しお待ちください!!!!リクエスト有り難う御座います!!!!! (2018年8月29日 18時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - どれも素敵なお話でした!良ければプロポーズする独歩くんのお話 よみたいです!!! (2018年8月29日 17時) (レス) id: 47b6b0fdaf (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 公序良俗さん» 了解しました!!暫しお待ち下さい!リクエスト、有難う御座いました! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
公序良俗 - すいません。リクエストで寂雷さんが嫉妬するお話お願い出来ますか? (2018年8月28日 16時) (レス) id: 75b87ef95f (このIDを非表示/違反報告)
たぬきのこ(プロフ) - 朧流水斬さん» ひぇ!!そんな嬉しいお言葉貰ってはにやけが止まりません((独歩くんのヤンデレですね…!少し御待ち下さい!!有難う御座います!!! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年8月17日 10時