【短編集】君へ。【ヒプマイ】

・・ ページ43

そう言ってシャツを戻すA。

『A……？』

息を吐き出したAは、静かに告げた。

『もう、私は私じゃないんだ。教会に行って、生き返らせてもらって…』

珍しく言葉に詰まる。

『また、一郎に会いに来るよ、今度は、ちゃんと可愛らしい女の子でな……』

ふわりと微笑むAに向かって腕を伸ばす。

『Aっ！！！』

後ろに体を傾けた彼女は、

『ははっ、怖いだなんて…かっこわるい…』

そう言って、

落ちた。

『Aっ！！！！』

叫んでも、手を伸ばしても。

もう届かない。

転がるように屋上から下に行けば、野次馬が群がっていた。

そいつらを押しのけてAに近寄って、抱き締める。

『A…っ』

先生や救急にAの体を奪われて。

手のひらに残った彼女の血の感覚は、ずっと残っている。

＿＿＿

合掌をやめて顔を上げれば、丁度二郎と三郎が言い合いをしながら、此方に向かってくる。

「ははっ、お前らAの前で位、喧嘩すんなよ」

そう何時も通り言えば、「ごめん」なんて悲しそうな顔をして呟く。

俺だけが悲しいんじゃないんだ。二郎も三郎も、Aとは面識があるし、本当の姉弟みたいに仲が良かったから。

『大きくなったな、偉いや』

風に乗ってAの声が聞こえた気がした。

遂に難聴か？なんて苦笑いを溢しても。



「(お前のことは、忘れねぇ…)」



ｷﾗﾘと光る、お供えものと一緒に置いた二つのﾘﾝｸﾞを指に填めて。

「またな」

そう声をかければ、彼女が俺の頬を触ったみたいに、風が頬を撫でていった____。

毒島メイソン理鶯 / 人目と姿→←山田一郎 / ゲームと君

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーナンバー

8

今日のラッキーカラー！

入間銃兎「俺の色に染まりたい？まだだな、まだ、早い」

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